- 2011.05.20
- 書評
じいさんとばあさんの結婚はいい!
「シニア婚活」実践的ススメ
文:岡田 信子 (作家)
『五十代・六十代は第二の適齢期――婚活、離活、老後の備え』 (岡田信子 著)
ジャンル :
#趣味・実用
散歩道に、おじいちゃんとおばあちゃんがメインの客層の喫茶店がある。自分の赤裸々体験をもとに、「熟年からの婚活」の本を書いている真っ最中だったので、初めてその喫茶店に入り“取材”を試みた。客の入りはまあまあで、男女同伴は見られず。同性同士か一人でクラシック音楽に耳を傾けている様子。中にはサークル帰りに寄ったような男性のお喋り組もいた。五人グループの平均年齢は六十代後半か。「あのね、この喫茶店で“婚活”しておる男性がいるそうだ」「じじいとばばあが、恋人になったり結婚したりしたって、すぐお手上げだろうに。相手がずっと若ければ、まだもつだろうけど」「次は、もう少し若い子のくる店へ行こうよ。ここはばあさんばかりだ」。私は内心、「コラ、ちょっと待て」と叫びたい思いを押し殺した。
ここで経験者は語る。「じじいとばばあの結婚」と他人に揶揄されようと、オモシロがられようと、熟年期に入っての婚活、恋活、友活が、どれほど当事者の心身に癒しや安心をもたらすか、彼らはご存知ないのだ。
はっきり言おう。五十代、六十代は男女ともに第二の適齢期である。それまでは、生きることの忙しさ、複雑さ、困難との闘い、仕事一辺倒の日常に制御されてきた。子どものいる人も五十代で多くは子育てから解放され、追い立てられるような仕事が楽になる人が多い。女性は更年期を終え、心と身体のバランスが保たれる時代を迎えもう一度華やいだ気分になり、このまま歳をとりたくないと思える。この時期の男女が出会い、親しく話し合い、接触するという一つ一つに意義があり、喜びが増すものなのである。
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