インタビュー・対談

彼女の友情が私を食べ尽くす――
「女子会」を内側と外側から考える

『ナイルパーチの女子会』 (柚木麻子 著)

聞き手: 「本の話」編集部
彼女の友情が私を食べ尽くす――<br />「女子会」を内側と外側から考える

三十の同い年、そして「同性の友達がいない」ことも共通したことで急速に親しくなったふたりの女性。しかしその後ふたりの関係は思いもよらぬ方向へ……。これまでもさまざまな人間関係を描いてきた柚木麻子さんが新作『ナイルパーチの女子会』で「女同士の関係の極北」を描いた背景を伺います。

――本作品にはふたりの主人公、大手商社につとめる栄利子と専業主婦の翔子が登場します。ふたりの生まれ育った環境は異なりますが「女友達がいない」ことが共通していて、そのことがふたりを接近させ、そして離れさせる要因となります。この設定の背景には何があったのでしょうか。

柚木 ここ数年のあいだに、女同士が仲良くすることに対してなぜか「心をざらつかせる」人がいることに気が付くようになったんです。

 いわゆる「女子会」をするような人々に敵意のようなものを抱く人がいる。女のコミュニティなんて面倒だと思っているのに何故か目が離せなくて、疎外感を覚える人がいる。そのことについて考えてみたい、ということがまず最初にありました。

――栄利子は「女子会」的なものに敵意を抱きながら、同時に女友達を得ることを渇望しています。その栄利子の感情の振幅の大きさは、時折豹変することも含めて、とても衝撃的でした。

柚木 一般的に「友達はいたほうがいい」「友達は多いほうがいい」と言われますが、実は必ずしもそうじゃないと思います。「友達が多いほうが人間としても優れている」という極端な考え方もありますが、それも違うのではないでしょうか。

 私は東京生まれの東京育ちで、今も子供の頃からの多くの友達がそのまま周囲に住んでいて、「女子会」も、そんな呼び名が付く以前からさんざんやってきました(笑)。栄利子みたいな女性から見れば、コミュニケーション能力が高い集団に見えるかもしれませんが、自然に集まれるのは状況の力が作用しているのであって、いつも似たメンバーだし、それぞれにへんくつな暗い部分もある。それに友達がいたとしても、栄利子や翔子の抱えるような問題はみんな何かしら持っていると思いますよ。

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ナイルパーチの女子会
柚木麻子・著

定価:本体1,500円+税 発売日:2015年03月28日

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