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高校生直木賞、第3回結果発表。柚木麻子『ナイルパーチの女子会』に決定

文: 武田 昇 (「オール讀物」編集長)

 今年もGW最中の5月4日、高校生直木賞の本選考会が文藝春秋にて行なわれた。

 過去1年間の直木賞候補作の中から、高校生たちが独自で1冊を決めるこの試みは、今年で3回目。一昨年の4校、昨年の12校から参加校が増え、今年は全国より19校の学生が一堂に会した。

 参加校は以下のとおり。

北海道札幌南高等学校
市立函館高等学校
岩手県立盛岡第四高等学校
宮城県仙台第二高等学校
千葉県立鎌ヶ谷高等学校
都立青山高等学校
都立富士高等学校
都立南多摩中等教育学校
芝高等学校
国際基督教大学高等学校
聖学院高等学校
湘南白百合学園高等学校
向上高等学校
静岡県立磐田南高等学校
藤枝明誠高等学校
滋賀県立彦根東高等学校
大阪薫英女学院高等学校
明治学園高等学校
筑紫女学園高等学校

 前回同様、昨年の12月頭に参加応募を締め切り、まずは19校を2班に分けて、第153回と第154回の直木賞候補作を読んでもらい、上位に選ばれた作品の中から下記の最終候補作を決定。この6作品について再度、各校で議論をしてもらい、その結果を持ち寄っての本選考会となった。

青山文平『つまをめとらば』(文藝春秋)
門井慶喜『東京帝大叡古教授』(小学館)
西川美和『永い言い訳』(文藝春秋)
深緑野分『戦場のコックたち』(東京創元社)
宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)
柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文藝春秋)

『ナイルパーチの女子会』 (柚木麻子 著)

 昼過ぎから始まった議論は例年以上に白熱。

 かなり意見が分かれたものの、最後は深緑さん、宮下さん、柚木さんの作品に絞られ、最終投票で柚木麻子さんの『ナイルパーチの女子会』に決定した。

 この作品については、「女子の人間関係が細かく書かれている」「友達ってすごく不安定で、見えないことがいっぱいあって、良い友人になれるかも、と思っても、ルールを破って関係が崩れていくことがある。それが自然に描かれている」「本が怖いことを実感できた一冊」「一回読み出したら止まらないパワー。日常の人間関係のことにまで話が広がり、議論が盛り上がった」など、様々な意見が飛び出した。

 

 今年より、冒頭から選考会をオープンにしたため、新聞社などマスコミの取材が入るとともに、予選に参加した各校の他の学生たちの見学も可とした。

 終了後は懇親会に移行。受賞の連絡を入れたところ、柚木さんが高校生と直接話がしたいということになり、急遽、電話で高校生たちと対話をすることに。筆者の喜びの声が高校生たちに伝わり、非常に盛り上がったひと時だった。

 

 高校生直木賞実行委員会を立ち上げてからは2度目となった今回。実行委員会の代表・伊藤氏貴さんは「19名の初対面の高校生がなぜこんなに熱く語れるのか? 6冊の本を語り合う中で、自分たちの考えを深め合ったり、変化させていく現場に立ち会えて良かった」と語る。

 

 昨年に引き続き、趣旨に賛同してくださった企業各社より賛助会員として援助をいただき、本代や選考会当日の交通費、宿泊費等にあてさせていただいた。

 

 選考会の速報はオール讀物6月号(5月21日発売)のグラビアページに、詳しい模様は6月22日発売のオール讀物7月号に掲載します。

高校生直木賞ホームページ http://koukouseinaoki.com/


「高校生直木賞賛助会員」
・アマゾンジャパン
・河合塾
・株式会社SRJ
・王子製紙株式会社
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・加藤製本株式会社
・株式会社くまざわ書店
・国際紙パルプ商事株式会社
・大日本印刷株式会社
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・株式会社ベネッセコーポレーション
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・三菱地所株式会社
・株式会社宮脇書店
・株式会社ミライト・ホールディングス
・株式会社未来屋書店
・株式会社有隣堂

ナイルパーチの女子会
柚木麻子・著

定価:本体1,500円+税 発売日:2015年03月28日

詳しい内容はこちら

つまをめとらば
青山文平・著

定価:本体1,500円+税 発売日:2015年07月08日

詳しい内容はこちら

永い言い訳
西川美和・著

定価:本体1,600円+税 発売日:2015年02月25日

詳しい内容はこちら

羊と鋼の森
宮下奈都・著

定価:本体1500円+税 発売日:2015年09月11日

詳しい内容はこちら  特設サイトはこちら