「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」年間1位など各賞に輝き累計80万部を突破したベストセラー、今年4月にはNHKでテレビドラマ(主演:ピエール瀧)が放送される『64(ロクヨン)』(横山秀夫・著)に新たなニュースです。
瀬々敬久監督による映画化作品『64』が2016年に全国東宝系で公開されることが2月18日に発表されました。しかも、前編、後編の2部構成という大がかりな取り組み。
主演は、佐藤浩市さん。NHKが横山作品をドラマ化した『クライマーズ・ハイ』(05年)で主演したことがある。
「『クライマーズ・ハイ』の時もそうでしたが、『64』も原作を読んだ時から大変な仕事になるという覚悟を決めなければ出来ない作品です。しかし自分がやりたい、やらなければいけないという演者の欲と必ず強い作品に出来るということを信じて、監督スタッフと共にぶつかりたいと思います」
と決意を語りました。
原作『64』は、昭和64年に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件をめぐり、刑事部と警務部が全面戦争に突入するなか、かつては刑事、現在は広報官の三上義信が組織の狭間で己の真と向き合う傑作ミステリー。映画では、前編では加害者匿名報道を巡る広報室と記者クラブの確執のその狭間で三上が広報官として覚醒していく様が描かれ、後編では新たに発生した因縁の事件「ロクヨン」をなぞる誘拐事件に対し、かつては刑事として、今度は広報官として真っ向から立ち向かう三上の姿が描かれる予定。
小説、テレビドラマ、映画と3度楽しめる、ますます話題沸騰の『64』。2月に発売された文庫版は、単行本からきめ細かく手が入り、さらにブラッシュアップされたました。未読の方は、この機会にぜひ。
■横山秀夫さんコメント
――横山さんにとって『64』とは
何年も苦しんで執筆した作品なので、自分の分身のように感じます。デビュー以来、組織と個人のせめぎ合いを中心に書いてきましたが、『64』はその集大成と言えるかもしれません。
――映画化にあたり、期待すること
原作の世界観を共有し、さりとて具象の檻にとらわれることなく、映像作品として優れたものに昇華して欲しいと願っています。活字と映像は好敵手であり、だからこそ無二の親友にもなりうる。職業人として尊敬する佐藤浩市さんをはじめ、出演者の皆さんと制作スタッフの情熱が、原作と映画を切っても切れない関係にしてくださると信じています。
――前後編二部作の大作として描かれる感想
知らされた時は本当に驚きました。嬉しい半面、『64』の文庫本を上下巻で出している身としては「冒険だな」とも。本では上巻、映画では前編の出来と質がまず問われますよね。恐いけれどもワクワクする。冒険のパートナーに『64』を選んでいただいたことに感謝しています。
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