実在した《最強の呪術師》安倍晴明の知られざる学生時代を描いた映画『陰陽師0』が、4月19日（金）に全国公開される。映画の公開を間近に控え、4月4日（木）に『陰陽師0』のジャパンプレミアが東京国際フォーラムで開催された。

　本イベントには、若き日の安倍晴明を演じる山﨑賢人、晴明と衝突しながらもバディになっていく貴族・源博雅を演じる染谷将太、物語の発端となる事件に巻き込まれる皇族の徽子（よしこ）女王の奈緒が登壇。さらに、板垣李光人、國村隼、北村一輝、小林薫と晴明をとりまく豪華キャスト陣が集結した。

　約5000人の観客の熱気に包まれながら、『陰陽師0』の見どころや撮影エピソード、若き天才・安倍晴明の魅力についてトークを繰り広げた。

「賢人くんがリラックスした雰囲気をつくってくれる」

　安倍晴明と源博雅、二人の「バディ」としての撮影エピソードを問われると、山﨑は「博雅も晴明も、ペースと空気感がいい感じにゆっくりで、ゆるく楽しく撮影できました」と振り返り、染谷は「賢人くんとの撮影は最高でしたね。賢人くんがリラックスした雰囲気をつくってくれて、自然とお芝居に入っていけました。変に力が入ることもなくて、居心地よくて、あっという間の撮影でした」と語った。

　一方、奈緒は二人の関係について「羨ましいと思うくらい、息がぴったりでした。晴明のクールさと博雅のチャーミングさで、本当に素敵なバディだな、と……。最近は番宣で三人一緒になることも多いんですが、お二人はすごく長いお知り合いなのかな？　と感じるような空気感がありました」と絶賛し、山﨑・染谷の役を超えた関係の強さがうかがえた。

「帝の衣装で動けなかったので、撮影中は孤独でした（笑）」

『陰陽師0』の登場人物はすべて実在の人物で、平安時代ならではの身分違いの恋愛模様も描かれる。博雅と徽子女王の淡い恋に対して、染谷は「禁じられた恋、エモかったですよ。切なくもあるし、この世界観で見る恋愛模様はぐっときました」と語った。

　一方、徽子女王を見初める帝・村上天皇を演じた板垣は「帝ならではの孤独感をだせたらいいなと思い、まばたきをゆっくりするなど意識して演じました。現場では、帝の衣装のせいで動けなかったので孤独でした（笑）」と撮影エピソードを明かした。

「全員が悪役だと思ってキャスティングを行った」という監督に、國村隼は……

　本作では晴明と博雅のバディが、都を脅かす邪悪な呪いに立ち向かう。最後まで誰が黒幕かわからないストーリー展開に対し、佐藤嗣麻子監督は「全員が悪役だと思ってキャスティングを行った」と語った。

　これに対し、晴明の育ての親であり陰陽寮指導者の一人を演じた國村は、「悪い人なんてひどい！（笑）晴明を育てた、温かい人ですよ」と答えた。

　同じく陰陽寮の指導者を演じた北村は「良い人になるように一生懸命、考えて演じましたよ。一度モニターで悪っぽく見えたから、すこし上向いてしゃべろうかなとか思ったり」と会場の笑いを誘う。

　最後に、陰陽寮のトップである陰陽頭（おんみょうのかみ）を演じた小林は「僕は監督に預けていたので。現場では、今日はどんな演出があるのか、と楽しみにしていました」と締め括った。

　晴明たちを脅かす黒幕が一体誰なのかは、スクリーンでぜひ確かめたい。

原作・夢枕獏さんと約束して35年、ようやく完成した『陰陽師0』

　今回メガホンをとった佐藤監督は「陰陽師（の映画）は、35年くらい前に原作者の夢枕獏さんと作る約束をしていて、ようやく完成しました。最高傑作になっていると思う」と語った。

　ちなみに、佐藤監督の夫は第96回米アカデミー賞・視覚効果賞を受賞した『ゴジラー1.0』の山崎貴監督だ。さらに、本作は『ゴジラー1.0』と同じく“白組”がVFXを手がける。色鮮やかに再現された美しい平安京の世界と、安倍晴明が繰り出すスケール大の呪術に期待したい。

「ミステリーやサスペンス、恋愛もあるエンターテイメント作品に仕上がっているので、是非大きいスクリーンで観てください」。

　映画『陰陽師0』公開にあわせて、本作のノベライズ（文春文庫）や、公式ビジュアルブックも刊行される。また、映画の原作である『陰陽師』も、映画ビジュアルを使用した帯で全国書店に展開中だ。