ニ・ニ六事件蹶起将校 最後の手記 山本又

1,650 (税込)
発売日2013年02月12日
商品情報
書名(カナ) ニニロクジケンケッキショウコウ サイゴノシュキ
ページ数 232ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2013年02月10日
ISBN 978-4-16-376080-3
Cコード 0095
試し読み
書店在庫

ニ・ニ六事件蹶起将校 最後の手記 山本又

1,650 (税込)
発売日2013年02月12日
商品情報
書名(カナ) ニニロクジケンケッキショウコウ サイゴノシュキ
ページ数 232ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2013年02月10日
ISBN 978-4-16-376080-3
Cコード 0095

事件から77年。初めて明かされる“真実”

山本又予備役少尉は、事件後に安藤輝三大尉から「二・二六日本革命史を書いてください」と託された。裁判で禁固10年の判決を受けた山本は、安藤大尉の意を受けて、小菅刑務所の中で手記を書き始める。遺族がこの手記を発見したのは、2008年。蹶起将校の未公表手記が世に出るのは、おそらくこれが最後と思われる。
山本は、こう書き始めている。「獄中看守ノ嚴シクナイ夜中ニ手記ス。記事前后スルアリ、乱筆アリ、唯眞相ヲ後世ニ伝エントス」。そこには事件前夜に磯部浅一とともに歩兵第一連隊に向う場面(実は尾行されていた)から、獄中で同志が銃殺される音を聞いた瞬間までもが描かれている。
また山本は蹶起趣意書をガリ版で切る役を任されていたが、その直前、村中孝次の原案から、突如22文字が削られることになった。その一文とは――。
陸相官邸に当日朝乗り込んできた石原莞爾を誰何したのは山本だった。石原は「見当たり次第、殺害すべき人物」に指定されていたが、山本は「コノ人ヲモ亦味方ニセントス」と考え、案内したという。陸軍大臣告示の「蹶起ノ趣旨ニ就テハ天聽ニ達セラレアリ」に大喜びする将校たちの様子や、真崎甚三郎や寺内寿一ら軍事参議官との談判など、その場に居た者ならではの臨場感に富む描写がなされている。
山本は当時、42歳。20代~30代が中心の青年将校より一世代上のため、一歩引いたスタンスで事件を見つめている。また、各部隊との連絡役だったため、二・二六事件を網羅的に記述している。
大詔渙発か、討伐か――。情報が入り乱れる中、それを確認すべく、山本は石原や香椎戒厳司令官と単独で会見している。果たして、幹部たちはどう答えたのか。
出所後、敗戦を迎えた山本は、ひとり山小屋にこもり、悲憤の中で死んでいった。

目次

序文 山本又と安藤輝三の不思議な縁(鈴木俊彦)

第1部 現代語訳『二・二六日本革命史』

第2部 原文『二・二六日本革命史』

第3部 解説 事件の観察者 (保阪正康)

担当編集者より

あの二・二六事件に参加した将校の獄中手記が発見されました。磯部浅一、安藤輝三など青年将校たちの獄中手記は多く公開されています。しかし事件から80年近くが過ぎ、今後新たに手記がみつかるとは思えません。その意味で「最後の手記」としました。しかも、蹶起将校22名でただ1人、事件後に逃亡した山本又(4日後に自首)の手記です。2、30代の青年将校の中で山本は当時42歳。異色の将校はどのような思いで「尊皇討奸」の旗を掲げたのでしょうか。二・二六事件に新たな光を当てる1冊です。(MT)

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。

メディア関係者・図書館の皆様

表紙画像のダウンロード

ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

書店在庫

Rankingランキング

全て見る

Eventイベント

最新イベント

一覧を見る
【金沢&富山W地元開催】新刊『銀嶺のかなた』刊行記念 安部龍太郎さんサイン会が小説の舞台となった加賀前田藩お膝元で開催!
【金沢&富山W地元開催】新刊『銀嶺のかなた』刊行記念 安部龍太郎さんサイン会が小説の舞台となった加賀前田藩お膝元で開催!
11/22(金)19:00~イベント開催! 中山祐次郎×秋谷りんこ トークイベント「お仕事小説を書こう!」
11/22(金)19:00~イベント開催! 中山祐次郎×秋谷りんこ トークイベント「お仕事小説を書こう!」
長嶋有×宮内悠介トークライブ「僕たちの原点を探して」開催
長嶋有×宮内悠介トークライブ「僕たちの原点を探して」開催
阿部智里「八咫烏シリーズ」特設サイト 吉永南央「紅雲町珈琲屋こよみシリーズ」特設サイト 米国を代表する作家、スティーヴン・キングの特設サイト 2024 文春文庫 秋100ベストセレクション 佐伯泰英特設サイト 文藝春秋 コミック編集者募集