強父論 阿川佐和子

1,430 (税込)
発売日2016年07月29日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) キョウフロン
ページ数 272ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製
初版奥付日 2016年07月30日
ISBN 978-4-16-390491-7
Cコード 0095
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強父論 阿川佐和子

1,430 (税込)
発売日2016年07月29日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) キョウフロン
ページ数 272ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製
初版奥付日 2016年07月30日
ISBN 978-4-16-390491-7
Cコード 0095

没後一年、前代未聞の追悼本

阿川弘之氏が94歳で大往生されてから、今年八月で一年。娘佐和子が、強父語録とともに、父との62年間を振り返ります。たとえば――。
「なんという贅沢な子だ。ふざけるな!」……4歳のサワコ嬢は、「このイチゴ、生クリームで食べたい」と口にしただけで、このようにと怒鳴られます。以来、罵倒され通しの日々が続くことになるのでした。
「勉強なんかするな。学校へ行くな」……弘之氏は、特に娘は、勉強なんかしなくてもいいから、家でうまい食事を作れ、という主義でした。大学のテスト期間中も、サワコ嬢はお酌の相手をさせられたのでした。
「子供に人権はないと思え。文句があるなら出ていけ。のたれ死のうが女郎屋に行こうが、俺の知ったこっちゃない」……娘のちょっとした口応えに対して、弘之氏は烈火のごとく怒り、このように言い放ちます。これは弘之氏の口癖でした。
「老人ホームに入れたら、自殺してやる!」……元気な頃の父は、こうくり返していました。足腰が弱ってからは渋々、老人病院に入院しましたが、そこでも「すきやきが食べたい」「ワインが飲みたい」とわがまま放題なのは変わりませんでした。
いまや絶滅寸前の、怖くて強い父親ぶりが存分に描かれます。

目次

第一章 立派な老衰
・一に妻子を養うため、二にいさかかの虚栄心のため
・老人ホームに入れたら、自殺してやる!
・母さんとは別々に死ぬのか
・俺の話をちゃんと聞いてろよ
第二章 父とわたし
・結論から言え、結論から
・なんという贅沢なヤツだ!
・今後いっさい、誕生日会を禁止する!
・糠味噌を嫌がらないのはいいことだ
・のたれ死のうが女郎屋に行こうが勝手にしろ
・勉強なんかするな。学校へ行くな
・お前は俺にそっくりだ
・まともな人間になりたければ、本を読め
・戦後教育が悪いからバカが育つ
・ライザ・ミネリが好きなのか?
・大学でサムシングを学んでこい
・お前がくれた耳かきは最高だった
・こんな娘がニュース番組の役に立つのか?
・朝日の手下になりやがって
・「だった」を三回も続けるな
・知ったかぶりをした文章を書くな
・立ち上げるという言葉を使うな
・俺が便所へ行くと、必ず誰かが入ってる
・結婚か? 同棲か?
・これで一食、損をした
・バターはケチケチ使うな
第三章 父と母
・この草履を切り刻んでやる
・これでもウチはまともなほうだ
・こっちにいれくれなきゃ困るじゃないか
・頼むから俺より先に死なんでくれ
第四章 最期の言葉
・お前の名前はお墓から取った
・三味線にしちまうぞ!
・書けない苦しみを乗り越えることが大事だ
・俺は我慢するのをやめる!
・俺はもう、死ぬんじゃないかと思う

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担当編集者より

幼少の頃から怒鳴られながらも、90歳を過ぎて老人病院に入院した父を最後まで看病した阿川佐和子氏だからこそ書ける、他に類をみない父子の60年です。

著者

阿川 佐和子

1953(昭和28)年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。83年から『情報デスクToday』のアシスタント、89年から『筑紫哲也NEWS23』のキャスターに(いずれもTBS系)。98年から『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)にレギュラー出演。99年、檀ふみ氏との往復エッセイ『ああ言えばこう食う』(集英社)で講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。12年、『聞く力──心をひらく35のヒント』(文春新書)が年間ベストセラー第1位、ミリオンセラーとなった。14年、菊池寛賞を受賞。著書に『ことことこーこ』(角川文庫)、『看る力──アガワ流介護入門』(共著、文春新書)、『ブータン、世界でいちばん幸せな女の子』(文藝春秋)など。

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