登場人物紹介

魔法使いと本格ミステリーの組み合わせを思いついたきっかけは「あなたがもう一度見たい海外ドラマ」のランキングでした。未だに1位は「奥さまは魔女」で、2位は「刑事コロンボ」。この二つを足したものを書いたら、面白くなりそうだと思いました。

「刑事コロンボ」は倒叙もの(※1)ですよね。倒叙もののミステリーに出てくる刑事って、コロンボでも古畑任三郎でも、ある種の直感のようなもので「こいつが犯人だ!」って分かってしまう。だからいっそのこと、魔法使いが犯人を指摘する、という形でもミステリーとして通用するんじゃないかと思ったんです。

最初は“刑事の妻が魔法使い”という設定を考えていたんですが、小山田刑事とマリィが出会うところから始めました。今後の小山田とマリィの関係にも注目してください。

タイトルが格好いいって? それは僕の手柄じゃなく、フィリップ・K・ディックがいいんですよ……(※2)。ともあれ、この本は久しぶりの新シリーズ。登場人物が暴走気味で、この先どうなるのか正直僕にも判りませんが、ぜひ手にとってみてください!

  • (※1) はじめから犯人が分かっている形式のミステリー。探偵役がどのように犯人を見抜き、犯行を実証するかが見どころとなる。
  • (※2) タイトルは、フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をもじったもの。
  • 定価:本体550円+税
  • 判型:文庫版