『十二人の死にたい子どもたち』
廃病院に集結した子どもたちの前に現れたのは――?
廃業した病院にやってくる子どもたち。目的はみんなで集団自殺すること。しかし、十二人が集った部屋のベッドにはすでに一人の少年が。彼は一体誰なのか、この中の誰かが彼を殺したのではないか、こんな状況のまま計画を実行してもいいのか……。
性格も価値観も死にたい理由もそれぞれ違う、初対面の十二人の少年少女たちが、不測の事態を前に、議論し、互いを観察し、状況から謎を推理する。初めて人とぶつかり、対話していくなかで彼らが出す結論とは。そして、この集いの本当の目的とは——。
イラスト:456
冲方丁(うぶかた とう)
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学在学中の96年に『黒い季節』で第1回スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、10年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第四回舟橋聖一文学賞を受賞。12年『光圀伝』で第三回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『ばいばい、アース』『微睡みのセフィロト』「マルドゥック」シリーズ、「シュピーゲル」シリーズ、『はなとゆめ』など。漫画の原作、アニメやゲームの脚本など、小説以外の分野でもその才能を発揮している。
2016年、デビュー20周年を迎えた。