伊勢まいりが流行する江戸に小籐次が帰ってきた!(鼠小僧も?)『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』伊勢まいりが流行する江戸に小籐次が帰ってきた!(鼠小僧も?)『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』

2024年1月4日(木)発売!

恋か隠居か
新・酔いどれ小籐次(二十六)

『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』

300冊達成記念企画

ささやかな贈り物「しおり」について

 二十五年間に三百冊の時代小説を書き下ろして、この冊数の刊行を支えてくれたのは読者諸氏がおられたからだと気付かされた。有難いことに今もって、新刊発売時には十数万を超える読者さんに購入して頂ける。こうした読者の皆さんのお一人お一人に、「なにか作者からお礼を贈りたい」と思った。

 文藝春秋の文春文庫と光文社の光文社文庫に相談し、「読者の皆さん全員にプレゼントを行き渡らせるには文庫本に挟み込む形でお届けする以外に方はない」との考えに至り、私を支える娘とともに思案した結果、三百冊の時代小説を編む間に国内外を旅し、出会った光景や旅する私自身の様子を「しおり」にしてプレゼントすることにいたしました。

 時代小説家がどのような暮らしをして創作しているか。

 古書に埋もれて二百年前の江戸を思案しているなんてことは私にはございません。

 その折り、思いつきで旅に出て、ただ今の日本や外国に接する。するとなんとなく新たな物語が浮かびます。私の創作スタイルはそんな感じです。ちらりとでも佐伯泰英のやり方を想起して頂ければ幸甚です。

 読者諸氏にとって新玉の二〇二四年がよい年でありますように。

熱海にて     佐伯泰英

しおり制作の舞台裏

作品一覧

著者紹介

佐伯泰英

1942年、北九州市生まれ。 日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、〈文庫書き下ろし 時代小説〉という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞。おもな著書に、「居眠り磐音」「空也十番勝負」「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「照降町四季」「密命」「鎌倉河岸捕物控」「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」各シリーズなど多数。

佐伯文庫|佐伯泰英ウェブサイト光文社|佐伯泰英特設サイト