作品
レヴィ‐ストロースとの熱き対談を初め、東洋と西洋の文明観の差違を直視しつつ、文学と人間存在の根柢を問う評論全十篇を収める
湾岸戦争、ソ連邦崩壊――激動する世界情勢に近代化そのものの意味と価値観を問う。国家の主権、尊厳とは? 碩学が示す日本の進路
日米間に横たわる基本的諸問題は、戦後から今日に至るまでほとんど変わっていない。冷徹な観察と犀利な筆で描くアメリカ論の力作。日本にとってのアメリカとは?(石川好)
大不況到来、ロンドン条約と大権干犯、浜口首相遭難、第二次若槻内閣の対支外交失敗、そして満州事変勃発。昭和風雲の時代を描く
済南事件、張作霖爆殺事件など不穏な軍部の動きと大恐慌による深刻な不況の到来。そこにロンドン海軍軍縮会議の決定が伝えられる
現憲法成立過程へのGHQの介入を立証し、それがいかに戦後の文学空間を束縛したか、豊富な実例で説きあかす衝撃的論文集保存版
「昭和」は金融恐慌で幕を開けた。大陸の緊迫に山東出兵で応える一方、国内では普通選挙を断行し、確実に民主化の道を歩んで行く
これはかつて起こった物語ではない。現に起こりつつあることだ。俗流史観を排し、ありのままの「昭和」を描くノンフィクション小説
シーメンス事件をめぐる紛叫で、ついに山本内閣は崩壊。同時に山本は予備役に編入された。山本自身が体現した“大いなる海の時代”がここに終わりを告げたのだ――
帝国海軍最大の汚点といわれるこの疑獄事件には、今なお不明の部分が多い。発足間もない山本内閣はたちまち危機に陥った。海を離れた山本権兵衛の、最初の試練だ
((一)を参照)
近代日本の幕開けに奔走した明治の群像――とくに帝国海軍を育てあげた山本権兵衛の、海軍大臣から宰相、シーメンス事件による失脚までを通じて、近代国家誕生の苦しみを描く。
古くは中国、近くは西洋の影響を受けながら日本文学に通底する独自性とはいかなるものか。その総体に“共時的”に触れる文芸評論
稀有の政治的人間としての勝海舟は、徳川幕府の存亡の重責を負いながら、崩壊を誰よりも的確に予測していた。当時の政治過程と深くかかわり合った政治家・海舟の心奥を描く。
事物の核心を衝く鋭い感性と深い思索の小林秀雄講演集。生と死、美を求める心、喋ることと書くこと、政治と文学、悲劇について、表現について、など十二篇を収録。(江藤淳)
忠臣蔵、学問、考えるという事、ヒューマニズム、還暦、哲学、天命を知るとは、歴史、などの十二篇に「常識について」を併載して、考えることの愉悦をおしえる。(江藤淳)
常識、漫画、良心、歴史、役者、ヒットラーと悪魔、平家物語などの項目を収めた「考えるヒント」に随想「四季」を加え、「ソヴェットの旅」を付した明快達意の随筆集。(江藤淳)
鎖国日本に大ロシア帝国の存在を知らせようと一途に帰国を願う漂民大黒屋光太夫は女帝に謁し、十年後故国に帰った。しかし幕府はこれに終身幽閉で酬いた。長篇歴史小説。(江藤淳)
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