1974年に誕生した文春文庫は、今年で50周年を迎えました。
これを記念して、映画「陰陽師0」(4月公開)とのコラボを実施した特別フェアが開催されます。
夢枕獏さんの大人気シリーズ「陰陽師」はもちろんのこと、時を超えて愛され続ける名作がずらりとラインナップされています。
書店店頭で、ぜひ手に取ってみてください。
ニュース
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映画『陰陽師0』佐藤嗣麻子監督×呪術監修・加門七海対談――山崎賢人には「手加減なしで教えたような(笑)」 『陰陽師0』がかつてなく“呪術に向き合った映画”になるまで(文春オンライン)
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《呪》を解き放つ山崎賢人「晴明」、染谷将太「博雅」との出会いや優美な奈緒「徽子女王」も…『陰陽師0』の場面写真が公開(文春オンライン)
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文春文庫50周年企画のダブルカバー本を追加しました!(文庫50年特設サイト)
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「文春文庫50th 時を超える名作」フェア特設サイトをオープンしました
インタビュー
映画「陰陽師0」について
「陰陽師0」で稀代の陰陽師・安倍晴明を演じるために、彼の生き方を日頃から意識して体に馴染ませるようにしていました。例えば、指。晴明は呪を使うときに独特な指遣いをするので、こまめにストレッチをして、指先まで神経を研ぎ澄ますようにしました。
いざ撮影になると、平安時代の衣装で動き回るのが大変でしたね。裾捌きに工夫が必要だし、最初のうちは被っていた烏帽子を周囲にぶつけてしまうこともありました。僕が着ていた晴明の衣装は、高野山の樹齢千年の神木に縁があるそうです。千年の歴史のパワーを肌で感じながら、撮影に臨みました。
晴明は、主観と客観を分けて考えながら、真相を解明しようとします。敵の策略や目先の欲望にも屈しない。そんな晴明の考え方に、僕は強く共感しています。今の世の中は、情報が溢れかえっていますよね。フェイクニュースや、相手を傷つける言葉が転がっていて、何を信じていいのか判断するのが難しくなっている。“呪”が溢れている今だからこそ、晴明のような物の見方は大切だと思います。
「陰陽師0」は千年以上前の日本を舞台にしていますが、現代にも十分に通じるメッセージが込められています。観た方にも、ぜひ呪術エンタテインメントを楽しんでもらいたいです。
小説『陰陽師』を読んで
夢枕獏先生の小説『陰陽師』も夢中で読みました。晴明と、その親友の博雅の関係に引き込まれますね。少し理屈っぽくてとらえどころのない晴明と、彼に対して真っ直ぐに、何の濁りもなく返す博雅。二人のやりとりをずっと見ていたくて、愛おしく感じました。互いに「ゆこう」と言い合うのも心地いい。晴明と博雅は対照的だけれど、どちらも呪に惑わされずに、事実だけを見ようとしているのが印象深いです。
実は、『陰陽師(一巻)』を読んでいて驚いたことが一つあって。「蟇(ひき)」という短編を読んでいたら、突然「九月七日」という日付が出てきたんです。他の場面では「十月下旬」といった大体の時期だけが描かれているのに、その短編ではピンポイントで日付が明記されていて……僕の誕生日も九月七日なので、ご縁というか、運命のようなものを感じました。
文庫の魅力について
文庫本はズボンのポケットに入れられるサイズ感なので、現場に持って行きやすいんです。柔らかくて、片手で持てるところも好きです。一枚一枚、ページをめくりながら読むと、どこまで読んだのかが、触れた感覚で分かりますよね。今はスマホでも読書ができますが、紙の本で読むことで、体に元々備わっている感覚を使って物語を味わえるように感じます。
文春文庫は今年で50周年を迎えるんですね。僕は2023年でデビュー15年目で、2024年に30歳になります。人生の半分を芸能界で過ごしていると考えると、不思議な感覚です。でも「人生百年時代」といいますし、まだまだこれから。今までの経験を大切にしつつ、本を通じて色々な物語を知ることで、芸能界の世界とは少し違う感覚も大事にしていって、皆さんを楽しませながら時を超えていきたいと思います。
プロフィール及び出演映画情報
山﨑賢人
1994年9月7日生まれ。2010年デビュー。主な主演作に『羊と鋼の森』、『キングダム』シリーズ、『ゴールデンカムイ』、Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」等。映画「陰陽師0」では天才陰陽師・安倍晴明を熱演。
映画 「陰陽師0」
4月19日(金)ロードショー
出演:山﨑賢人 染谷将太 奈緒 ほか
原作:夢枕獏「陰陽師」シリーズ
脚本・監督:佐藤嗣麻子
音楽:佐藤直紀
呪術監修:加門七海
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2024 映画「陰陽師0」製作委員会
onmyoji0.jp
1974年に創刊された文春文庫。名作誕生秘話を担当編集者らが語る特別カバーシリーズ。その一部をご紹介。
不機嫌な果実
林真理子 781円
担当編集者が
作家の決意を感じた1冊
かわいそうだね?
綿矢りさ 726円
若手編集者の
心を揺さぶった1冊
猫を抱いて象と泳ぐ
小川洋子 814円
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人生を変えた1冊
父の詫び状
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向田邦子の本