![50th 文春文庫 文春文庫は創刊50周年を迎えました 1974年6月に誕生した文春文庫 数多くの傑作、名作が愛され続けて50年 担当編集者、営業部員があらためて魅力を語る周年企画のダブルカバー本を紹介します!](/share/sp/bunko50/img/img_hero_sp.webp)
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問答無用の
21世紀最強ミステリクリスマス・プレゼント
翻訳ミステリーひと筋の編集者が断言する
傑作短編集収録作品16編、すべてドンデン返し入り。嘘じゃないです。ミステリ短編集にもいろいろありますが、ここまで潔くサプライズに振り切ったものなど本格推理の黄金時代を含めても前例なし。全リソースをドンデン返しのために割き、あらゆる技巧を凝らす。名作長編『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』で発揮された騙しの才能は、短編に注入されることで瞬発力UP、体感驚愕度も大幅UP。私の中ではクリスチアナ・ブランド『招かれざる客たちのビュッフェ』と並ぶ史上最強のミステリ短編集、つまりは21世紀最強のミステリ短編集。異論は認めません。
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担当編集者が断言、
「青春小説といえば絶対これ」武士道シックスティーン
カッコよくて愛おしい
著者初の青春エンターテイメント『ストロベリーナイト』や『ジウ』で警察小説の新たな書き手として注目を浴びていた誉田哲也さんに、最初にご提案いただいたのが剣道をする女の子の話でした。
剣道の大会の休憩時間に、中学生の女の子が胴と垂れをつけたままアイスを買いに行く姿に凛々しさと可愛らしさを覚えた誉田さん。また当時見ていた「仮面ライダー」では敵の怪人にも人間の姿があり、当然ライダーと怪人は戦うけれど、人間の時は互いの正体を知らずに二人の間に友情が芽生えていくという内容で、それを小説に生かせないかと考えられたそう。そこから、剣道の面をつけた女の子たち、「剛」の香織 と 「柔」の早苗 が生まれました。
お原稿をいただいた時は 本当に面白くて時間を忘れて一気読み!竹刀を交える女子のカッコよさと美しさ。挫折や苦悩を知って成長する姿の愛おしさ。こんなに最高の青春があるなんて! 彼女たちは必ずみんなに愛される。多くの人に知ってほしい!届けたい!と強く思いました。 -
担当編集者が取材で
見た迫力満点の場面ナイルパーチの女子会
読者の心に食らいつく、
獰猛すぎる「女友達」小説「柚木さんはこの魚についてとても詳細に取材をしていました。食性や来歴、日本で食用として売られるまでの流通に関しても…」
担当編集者のSさんはそう語った。取材をしていく中で分かってきたのは、ナイルパーチの恐ろしくも哀しい生態。「実際に金魚を捕食するところを見たんですけど、すごい迫力でした。この魚は一度棲みつくと、他の魚を食べて生態系までも壊して、自分の環境も悪化させてしまうことがある……ただ、それは人間が環境を変えたせいで、魚自体には何の罪もないのです」
大手商社の第一線で活躍する栄利子と、独自の文才で人気を博す主婦ブロガーの翔子。一度は意気投合するものの、些細な価値観の違いをきっかけに二人は決裂する。生きてきた環境が苛烈な分、両者の無自覚な攻撃性に容赦がなく、それが怖くもあり切ない。
一度ヒビが入ったら修復が難しいーー大人になってからの「女友達」の意外な脆さを味わえる、ダークで唯一無二な小説だ。 -
圧倒的に無意味で
国宝級に面白い時をかけるゆとり
ゆとりでもゆとりじゃなくもて、
まじサイコー!!読み手の痛点を容赦なく突いてくる、怖いほどにえぐる小説を書く朝井リョウさん。
ところが、ところがですよ!
「10代で大きな文学賞を受賞した優等生作家のうまいことまとめたエッセイ」
なんて思ったらとんでもない大間違い。
だって、うそみたいに、うっかり、思わず、吹き出してしまう面白さ。
失敗談多すぎ!無謀すぎ!全体的におかしすぎ!
何も考えずに読んでほしい。
大学生を目指す人でも、青春時代まっさかりの人でも、学生時代から遠く離れた人でも、
最高に笑えて愛おしくて、何度でも読み返したい1冊なのです。 -
著者最大の
ターニングポイント!秘密
ジャンル分け不可能な
不朽の名作!東野圭吾さんに最初に聞かされたアイディアが、「事故に遭った妻の心が娘の身体に宿ってしまった男の話」でした。「ぜひそれでいきましょう!」と即答したところ、「えっ、本当にいいんですか? このアイディアを話すとどの社も『そういうファンタジー系は東野さんじゃないでしょう』と言われるんですけどね」「いや、私はその話が読みたいです」数回に分けて原稿が送られてくるたびに、「いったいこの二人はどうなってしまうのか?」とハラハラしました。前半はコメディ要素が強かったのですが――終盤は切ない気持ちがどんどん膨らんでいき、号泣するしかないラストが待っていました。
何十回も読んでいるのに、今回も読み返していたらまんまと引き込まれて、会社のある駅を乗り過ごしてしまいました。ミステリー、ファンタジー、家族小説――ジャンル分けすることに意味がないほど、どの分野においてもマイルストーンであり、ベストセラー作家東野圭吾さんの大ブレイクのきっかけとなった、色褪せない傑作です。 -
担当編集者が依頼
された調査とは?テミスの剣
「ドンデン返しの帝王」が挑む
「冤罪と司法」「別冊文藝春秋」での『テミスの剣』連載時、印刷所の入稿リミットが刻一刻と迫り、不安になった私が進捗状況をうかがうと、「では、書きます!」。
影も形もなかった原稿が、数時間後には完成して送られてくるんですね。なぜこんなに早く? と驚く私に、七里さんはポツリと、「頭の中にある文章をキーボードで打っていくだけですから」。
連載をスタートする段階で、すでに「脳裏では最後の一行まで書き終えている」そうなんです。ということで「待つだけ」の担当者だったわけですが、たった一つ、連載中に七里さんから頼まれたことがあります。
「“血痕”〟について“あること”が可能かどうか調べてほしい」
ツテを辿り、某科捜研関係者に取材。「こうすればできます」と七里さんに報告した“あること”が何であったかは、実際に本書のページをめくって、大いにびっくりしていただけたらと思います! -
辻村深月さん絶賛
「この小説は、とても強い。」田舎の紳士服店のモデルの妻
竜胆梨々子、30歳。
幸せな結婚と出産の「その後」を描いた物語容姿端麗な夫と、二人の子どもに囲まれて暮らす竜胆梨々子。そんな彼女が30歳にして直面した試練ーーそれは、夫のうつ病に伴う予期せぬ田舎暮らし。慣れない近所付き合いや、思い通りにならない家族との関係に、戸惑ったり、怒ったり、孤独を感じたり……。梨々子の感情の揺らぎと、彼女自身が少しずつ変化していく様子に引き込まれます。月日を経て「自分は何者でもない」ことに気づく梨々子の物語は、読んでいて切ないけれど、どこか包容力があって、温かい。読み終えた後は、自分や周囲の人を労りたくなるような、やさしい一作です。
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担当編集激推しの
直木賞受賞作風に舞いあがるビニールシート
大切な何かのために
懸命に生きる人たちの、6つの物語自らの信念や価値観を守って黙々と生きている人々を描く、そんなテーマのもとに描かれた小説です。資料をお渡しし、取材をご一緒していたので、何があがってくるかを知っているはずなのに、毎回本当に驚き、その面白さに衝撃を受けました。
登場人物が、いま、わたしの横に立っているかのように、その匂いも空気感も話している声も感じられるようにリアルなのです。普通に生きているわたしたちの日常の出来事が、こんなにドラマティックに鮮やかに描かれるなんて! どんなにわがままに振り回されても、痛い過去を突き付けられても、バカげたことだとわかっていても、くやしさもユーモアも悲しみもすべて、声高ではないのに揺るがない「負けない」という登場人物たちの強い想いとなって、自分の心に直接に伝わってくるのです。地道に生きるわたしたちを、温かく力強く支えてくれる、愛おしい一冊です。