担当編集者より

この本は、人生においてごく限られた余暇の時間を読書、それも小説を読むことに費やしておられる、あるいは費やしたいと考えておられる、奇特な方々のために書かれている。……人生は短い。まして余暇の時間は極端に短い。読むことのできる小説の数は限られてくる。……しかし皆様にご安心いただきたい。私が選んだ十大小説は、結果として定評のある名作ばかりになったからである。私の紹介ぶりがいくら下手でも、読むにあたいする偉大な作品ばかりであることは確かだからである。（「序」より）　（掲載作品）スタンダール「赤と黒」／フォークナー「八月の光」／メルヴィル「白鯨」／カフカ「城」／ディケンズ［大いなる遺産」　／島崎藤村「夜明け前」／トルストイ「戦争と平和」／ドストエフスキー「白痴」／バルザック「従兄ポンス」／ブロンテ「嵐が丘」