作品紹介

老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年のあいだは夫であった畑中辰彦のものだった。共に文学を志し、夫婦となり、離婚ののちは背負わずともよい辰彦の借金を抱えてしゃにむに働き生きた杉は、ふと思った。あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? そして杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索しようとした……。
『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であったひとりの男の姿をとことん追究した、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。

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担当編集者より
「晩鐘」は、主人公の老作家が過去と現在を様々に往来しながら、かつて夫であったひとりの男の姿を追求しようとする傑作長編小説です。「過去」に描かれる青春の瑞々しさ、借金と人間関係を巡る厄介事の凄絶さ、そして誰もいなくなる「現在」の寂寥、これらすべてを描くためには、九十年(刊行時に佐藤さんは九十一歳!)という佐藤さんの実人生の時間が必要だったのかもしれません。人間とはわからないもの――その意味を深く考えさせられる一冊です。
商品情報
書名(カナ) バンショウ
ページ数 480ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2014年12月10日
ISBN 978-4-16-390178-7
Cコード 0093

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