作品紹介

歩く速度で認知症になるかがわかる!
NHKスペシャルで話題になった認知症早期発見の画期的方法と治療法を、制作にあたったディレクターがわかりやすく書き下ろす。

認知症には有効な治療法はない、という常識が覆されようとしている。
認知症予備群であるMCI(軽度認知障害)の段階で対処すれば、
病気の進行をくい止め、症状を改善できることがわかったのだ。

では、MCIを早期発見するにはどうすればいいのか?
意外なところにカギがあった。それは「歩き方」だ。
認知症になると歩行が不安定になり、歩く速度が遅くなることが明らかになったのだ。

本書では「歩行速度」だけではなく、「料理の味付けが変った」「買物の支払いを小銭ではなくお札でするようになった」など、日常生活のちょっとした変化からMCIを見つける方法を紹介。

また、運動や食事、脳トレを組み合わすことで認知機能を25パーセントも回復させた画期的なメソッドも取り上げる。認知症の代表的疾患であるアルツハイマー病が発生するメカニズムから具体的な治療法、予防薬開発の最前線まで、最新の知見が満載の一冊。

(目次)


序章 見えた! 認知症予防への道


第一章発症のメカニズム
アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβを除去する新薬が発表され注目を集めるが、重い副作用のため開発は中止に。数年後、薬を投与した患者の脳から驚愕の結果が判明した──。認知症発症の謎を探る。


第二章 DIAN研究
治療薬の開発はなぜ成功しないのか? 遺伝性アルツハイマー病を調べたDIAN研究で認知症の進行過程が判明し、発症の二〇年前から脳に原因物質の蓄積が始まっていたことがわかった。薬の投与が遅すぎたのだ。


第三章 予防のカギは「MCI」(軽度認知障害)
アルツハイマー病は発症前に防ぐことが重要だ。そこで認知症の前段階であるMCIが注目されることになった。ここで対処すれば認知機能が向上し、正常な状態に戻ることもできる。認知症予防のラストチャンスなのだ。


第四章 「もの忘れ」とどこが違うのか
認知症予防にはMCIの早期発見が不可欠だが、加齢による「もの忘れ」との違いを見分けることは困難だ。しかし、「料理」「買い物」」「服装」など生活のちょっとした変化がMCIのサインとなることがわかってきた。


第五章 「歩き方」で早期発見できる
歩く速度を測ることでMCIかどうかを診断できる、画期的な方法が発見された。認知機能が低下すると歩き方がふらついて不安定になり、歩行速度も遅くなるのだ。MCIの目安となる危険速度は「秒速八〇㎝以下」だ。


第六章 脳内ネットワークの異変
MCIになると歩行速度が低下するのは脳内ネットワークが衰えるためだ。脳には視覚や注意、制御などを司るネットワークが存在する。認知症になるとネットワーク間のつながりが減少し、機能低下を引き起こすのだ。


第七章 「運動」で認知機能を改善する!
脳内ネットワークを改善すれば、認知機能も向上するのではないか。そのための効果的な方法が運動だ。一日一時間の早歩きを週三回することで脳内ネットワークが改善し、海馬の萎縮もくい止められることが判明した。


第八章 心臓と脳はつながっている
生活習慣を改善することで認知症を減らすことに成功したのがイギリスだ。心臓病や脳梗塞の対策として高血圧や減塩、禁煙の指導を行った結果、認知症が二三パーセントも減少した。脳と心臓はつながっているのだ。


第九章 「ボケへの恐れ」が予防の壁
愛知県高浜市では地域ぐるみで認知症の早期発見に取り組んでいる。しかし、認知症検診への参加者数は予想を大幅に下回った。そこには「認知症は恐ろしい」というイメージが高齢者の間に浸透している背景があった。


第一〇章 ターゲットは予防薬の開発
MCIの段階で認知症をくい止める薬の開発が進んでいる。脳梗塞やてんかんの治療薬を認知症予防薬へ転用する方法で、認可への道のりが早いのが特徴だ。また、認知症治療薬を早期に投与する試みも始まっている。


第一一章 治療薬開発の最前線
認知症治療薬の開発は袋小路に入っていた。しかし、まったく異なるアプローチで認知機能の低下を抑える新薬の開発が進んでいる。原因物質タウを標的とした薬や、インスリン鼻噴霧術など新薬開発の最前線を追う。


第一二章 睡眠不足が認知症を引き起こす
睡眠と認知症の関係がいま注目されている。徹夜をすると、脳内のアミロイドβが増加することが判明したのだ。さらに睡眠時間だけでなく、眠りの質も認知機能の低下と深い関係があることが明らかになった。


第一三章 私はこうしてアルツハイマー病をくい止めた
薬に頼らずに認知症の進行を抑制することができた人々がいる。なぜ病を克服することができたのか? 浮かび上がってきたのは、生活習慣の改善や社会とのつながりの大切さ、そして病に対する患者本人の自覚だ。


あとがき

担当編集者より
認知症には有効な治療法はない、という常識が覆されようとしている。認知症予備群であるMCI(軽度認知障害)の段階で対処すれば、病気の進行をくい止め、症状を改善できることがわかったのだ。では、MCIを早期発見するにはどうすればいいのか? 意外なところにカギがあった。それは「歩き方」だ。認知症になると歩行が不安定になり、歩く速度が遅くなることが明らかになったのだ。最新の知見をもとに、NHK科学・環境番組部のチーフ・ディレクターが、認知症早期発見の方法と治療法を詳しく解説する。
商品情報
書名(カナ) ニンチショウハソウキハッケンデヨボウデキル
ページ数 232ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2016年04月25日
ISBN 978-4-16-390448-1
Cコード 0095

著者

青柳 由則

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