作品紹介

太平洋戦争の開戦・終戦については、すでに大量の書籍が出版され、すでにネタは尽きているかに思われる。しかし、日めくりのように、毎日何が起きたのかをデイリーに記したものは少ない。
開戦までの1カ月、終戦まで1カ月、そして終戦後の1カ月の計100日間に起きたことを、毎日、追いかけたこの企画は、編著者である石山永一郎・共同通信編集委員のある思いから始まった。

「当時、自分が現役の記者だったら、何を、どう書いていたか、という視点で昭和史を読み返すと、新しいストーリーのようなものが見えてきました。後知恵を排して、その時、知りえたことだけで歴史を再構成してみる。新聞記事の体裁にこだわって、3カ月間を追いかけてみたのです」

たとえば、終戦までの1カ月は、1945年7月16日から始まるが、この日、アメリカのアリゾナ州の砂漠で、世界初の原爆実験が行われている。この線は、原爆投下、そして、原爆症の告発といった形で、終戦後の1カ月へと続いてゆく。

さらに、共同通信が所有するニュース写真をすべての日に掲載したため、視覚的にも、臨場感のあるニュース記事の体裁になった。

もう新しいものはないと思われる戦争関連企画において、画期的な「日めくり」形式は、肩に力を入れずに、あの戦争の本質に迫ることができる。

共同通信が2015年から2016年に配信した大型企画を再編集した本書は、事典としても便利な、新しい歴史本になった。

担当編集者より
共同通信は、戦前・戦後期の写真を大量に所有しています。それらを掘り起こし、調査してきた斯界の第一人者、沼田清さんの協力を得られたことで、本書のレベルがぐっと上がりました。開戦・終戦の100日すべてに写真が掲載されているので、それとキャプションを読むだけで、歴史の流れが身体で理解できます。新書としては珍しいスタイルですが、とても読みやすく仕上がっています。
目次
まえがき

真珠湾への道

1 最終段階への始まり 回帰不能点としての南部仏印進駐
・「真珠湾への道」略年表(1931年9月~41年6月) ●

2 真珠湾への七月「南部仏印進駐」
・インタビュー1「戦争は必ず手順を踏む」保阪正康

3 真珠湾への八月「幻の首脳会談」
・インタビュー2「最悪の決定に歯車かみ合う」森山優

4 真珠湾への九月「御前会議と『四方の海』」
・インタビュー3「英霊盾に譲らなかった東条」山中恒

5 真珠湾への十月「東条英機内閣成立」
・インタビュー4「作文合戦で決まった国策」波多野澄雄

第一部 真珠湾への三十四日間

・インタビュー5「論議になかったアジア解放」孫崎享
・インタビュー6「ひどい誤解、日米双方に」半藤一利


太平洋戦争略年表

第二部 終戦への三十一日間

第三部 終戦からの三十一日間

あとがき

主要参考文献
商品情報
書名(カナ) シャシンデミル ヒメクリニチベイカイセン シュウセン
ページ数 256ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2017年08月20日
ISBN 978-4-16-661136-2
Cコード 0295

著者

共同通信編集委員室

石山 永一郎

沼田 清監修

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