暴かれた伊達政宗「幕府転覆計画」 ヴァティカン機密文書館史料による結論 大泉光一

803 (税込)
発売日2017年09月20日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) アバカレタダテマサムネ バクフテンプクケイカク ヴァティカンキミツブンショカンシリョウニヨルケツロン
ページ数 176ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2017年09月20日
ISBN 978-4-16-661138-6
Cコード 0295
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暴かれた伊達政宗「幕府転覆計画」 ヴァティカン機密文書館史料による結論 大泉光一

803 (税込)
発売日2017年09月20日
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書名(カナ) アバカレタダテマサムネ バクフテンプクケイカク ヴァティカンキミツブンショカンシリョウニヨルケツロン
ページ数 176ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2017年09月20日
ISBN 978-4-16-661138-6
Cコード 0295

スペインと組んだ「幕府転覆計画」は真実だった!

戦国の英雄として有名な伊達政宗。彼は、徳川の世になっても、天下取りの野望を捨てず、家臣・支倉常長をヨーロッパに派遣し、ローマ法王の援助を得て、幕府を転覆しようとした――こういう話は昔からあったのですが、定説ではありませんでした。
ところが、これは事実だったのです!!
ヴァティカン機密文書館庁には、カソリック教会にかかわる2000年間の秘密史料が厳重に保管されていますが、その中に、政宗が「カソリック王」に叙任されることを願い出た証拠が、ちゃんと残っていたのです。
では、なぜ、その野望は実現しなかったのか?
歴史好きはご存知のように、政宗は講談などで描かれる豪快な人物なのではなく、じつに細心、もっといえば臆病極まりない男でした。失敗したときに、どうやって言い逃れるかを考えてからではないと行動しないタイプだったのです。
この遣欧使節でも、幕府にバレたときの対応を周到に考えました。自分自身は洗礼を受けず、いざとなったら腹を切らせるため、下級の家臣を遣わしてローマ法王を丸め込もうとしたのです。でも、そんなのうまくいくはずありません。 ローマ法王庁から、「カソリック王にしてくれ、と言いながら、本人がキリシタンじゃないのは、おかしいんじゃないの?」とツッコまれ、支倉たちも、「まー、そーですが、心の中では信仰はあると思うんですよね~」などと、苦しい弁明につとめますが、結局、ローマの返事はノー。政宗の野望は潰えたのです。
筆者は中世のスペイン語、ポルトガル語、スペイン語、ラテン語に精通し、原史料を精緻に翻訳して、この結論にたどり着きました。
戦国ブームの中でも、もっとも人気の高い伊達政宗の人間像ががらっと変わる、画期的な新書です。

目次

★まえがき
ヴァティカン機密文書館/古典ロマンス語の壁
★図版・慶長遣欧使節の足取り
★序 章 慶長年間の日本
関ヶ原から大坂の陣まで/禁教令の流れ/「奥州王」政宗の評価
★第一章 使節団派遣に至る過程
ソテロ神父との出会い/フランシスコ会とイエズス会の確執/「商教一致」を受容/後藤寿庵を召し抱える/一致した家康・政宗の思惑
★第二章 幕府転覆計画への転換
使節船の建造/通商交易から幕府転覆へ/渡航先の変更/大使に支倉常長を選ぶ/支倉常長の人となり
第三章 メキシコでの使節一行
出帆/メキシコでの粗末な待遇と集団受洗/メキシコ副王へ提示した「申合条々(案)」/すべては通商交易のため
★第四章 スペインでの躓き
スペイン本国に向けて出帆/政宗の信仰心/スペイン政府の不信/国王に謁見/支倉、洗礼を受ける/「サンティアゴ騎士団」の騎士任命の請願を拒否される/スペインでの成果なし
★第五章 ローマでの栄光と挫折・定説の誤り
ローマ教皇と非公式謁見/教皇に豪華進物を贈る/華やかな入市式/教皇との公式会謁見に臨む/ヴァティカン機密文書館に残されていた回答/洗礼さえ受けていれば……/スペイン政府の妨害/失敗の原因は正宗の二股膏薬戦略
★第六章 帰路の苦悩
支倉、病に倒れる/支倉とソテロの居座り/強制退去/支倉の帰国と最期/支倉は本当に棄教したのか/
★第七章 政宗の裏切り
キリシタン弾圧始まる/政宗に向けられた疑惑/消された記録/
★終 章 余話
キリスト教界代表の三名の消息/先駆者・箕作元八博士/「連判状」の検討
★あとがき
★慶長遣欧使節関係年表
★主要参考文献 ●

担当編集者より

トム・ハンクス主演の『ダヴィンチ・コード』のおかげで、ローマ法王庁は、なにやら恐ろしげなところに思っていましたが、本当に素晴しい史料が眠っていることに驚きました。この宝の山がなぜこれまで日本では無視されてきたのか。それは、これらの史料がすべて、難読極まりない手書きの古典イタリア語だったりラテン語だったりするからです。筆者は50年かけて、語学を習得し、原史料を翻刻、翻訳して、この結論にたどり着きました。本当に頭の下がる学問的業績です。

著者

大泉 光一

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