「ほんとうのこと」は玄関先で明かされる まんまことシリーズ 畠中恵 画・南伸坊

 

江戸は神田、 玄関先でさまざまな 揉めごとの裁定をしている
町名主の跡取り・高橋麻之助。 立場が嘘のようなそのお気楽ぶりは、十六のときの「ある出来事」が原因というが――。
今日も持ち込まれる難問奇問・やっかいごとに、
時には悪友・八木清十郎と 相馬吉五郎の力を借りながら、
麻之助は敢然と(?)立ち向かう!

     

お知らせ

作品紹介

 

登場人物

 
  • 高橋麻之助(たかはし あさのすけ)

    8つの町を支配町とする、神田町名主・高橋宗右衛門の跡取り息子。お気楽者ながら、揉め事の解決には思いも寄らぬ閃きをみせる。恋女房のお寿ずに先立たれる。

  • 八木清十郎(やぎ せいじゅうろう)

    麻之助の幼馴染み。父親の源兵衛の逝去に伴い町名主を引き継ぐ。色男で知られたが、しっかり者のお安と夫婦になる。

  • 相馬吉五郎(そうま きちごろう)

    麻之助の幼馴染み。謹厳実直・品行方正な堅物の見習い同心。相馬家の跡取りに決まっている。

  • 高橋宗右衛門(たかはし そうえもん)

    麻之助の父で、神田の町名主。玄関先で町中のさまざまな揉め事を裁定する。

  • 相馬小十郎(そうま こじゅうろう)

    同心から吟味方与力に昇進。腕っぷしも強く、役者もかくやという男ぶりだが、石頭で融通が利かない。

  • 一葉(いちは)

    小十郎の娘。吉五郎の許婚だったが、兄のようにしか思っておらず、縁談は白紙になった。

  • お雪(おゆき)

    小十郎の遠縁で、料理屋・花梅屋の夫婦の娘。のんびり屋だが感情豊かで、たまに無茶をする。

  • お安(おやす)

    清十郎の妻。地味だがしっかり者で、適切な返事が返せる出来た妻。

  • 両国の貞(りょうごくのさだ)

    盛り場の顔役・大貞の息子。きりりとした、いなせな男。喧嘩はめっぽうつよい。

  • 丸三(まるさん)

    金を借りると、借金がすぐ「丸っと三倍」に膨れると言われる高利貸し。麻之助らを親友と考えている

  • 西森金吾(にしもり きんご)

    十五町を支配する、江戸でも名の知れた町名主。

  • お和歌(おわか)

    西森金吾の娘。麻之助と祝言をあげる。優しく気が利き、色々な考えを思いつく。

    宗吾(そうご)

    両親と飼い猫からの愛情を一心に受けてすくすく育つ。大泣きもするが、よく寝る子で手が掛からない

   

プロフィール

畠中恵

高知県生まれ、名古屋育ち。漫画家を経て、2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。以来、「しゃばけ」シリーズは大ベストセラーになり、16年には第1回吉川英治文庫賞を受賞した。他に、「まんまこと」「若様組」「明治・妖モダン」「つくもがみ」などの各シリーズ、『ちょちょら』『けさくしゃ』『うずら大名』『まことの華姫』『とっても不幸な幸運』『わが殿』『猫君』『御坊日々』『忍びの副業』など著書多数。共著に『人生を豊かにする歴史・時代小説教室』がある。

   

メッセージ

こんにちは。畠中恵です。
「まんまこと」シリーズを書き始めて、20年になりました。
〝まんまこと〟というのは、「本当のこと」という意味なのですが、町名主の跡取り、高橋麻之助が、悪友の色男・清十郎や、堅物の吉五郎と知恵を出し合い、玄関先に持ち込まれる様々な厄介ごとを解決していきます。
親子のもめごとから、結婚や相続の問題、無くしものや迷子を探したり……江戸時代の、ごく普通の人々が悩んだり、困っていたことって、実はいまの時代とあまり変わっていないんですね。
そして最初はお気楽だった麻之助ですが、実らなかった恋や、愛しい人との死別、ついに伴侶を得て父親になるなど、時の流れのなかでいろいろな経験をしてきて、頼れる男へと、少しずつ変わってきています。清十郎と吉五郎にも、家族が出来たり、お役目が変わったり、様々な変化が起きました。
ちょうど私たちが年を重ね、山あり谷ありの人生を歩んでいるように。
シリーズ10冊目『ああうれしい』が刊行されました。
色々、しくじりを繰り返す麻之助達ですが、これからも心配したり励ましたり、見守りながら、このシリーズを末永く愛し、寄り添いながら共に歩いていっていただけると、とても嬉しいです。  

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