アナザーフェイス×警視庁追跡捜査係

 

「刑事なんて、一緒に事件の捜査をして苦労を重ねれば、お互いを尊敬するようになる」沖田

沖田いや、何とかなるよ。刑事なんて、一緒に事件の捜査をして苦労を重ねれば、お互いを尊敬するようになるんだから。

西川その割にお前は……。

沖田何だよ?

西川いや、何でもない。

同じ係の大竹刑事はどうですか?

西川あいつが何を考えてるかは分かりませんね。会ってから今まで、会話した時間はトータルで十分ぐらいじゃないかな。

沖田あいつに関しては、それで上手くいっているからいいんだ。喋ればいいってもんじゃないんだから。仕事はちゃんとやってくれるし。

大友さんはどうですか? 頼りになる仲間というのは?

大友僕の場合は、やはり同期ですね。捜査一課にいる柴克志(しばかつし)と、高畑敦美(たかはたあつみ)。

沖田ああ、お前を入れて三馬鹿って言われてるんだよな。

西川よせよ。

大友馬鹿かどうかはともかく……二人には迷惑かけてますけど、いつも助けてもらって感謝してます。同期は、互いに何を考えてるか、簡単に読めますから。あの二人には背中を預けていいと思っています。

沖田おお、そういうことが言えるのは素晴らしいな。俺はとても、そんな気にはなれない。

西川何で俺を見るんだよ。

沖田いやいや。

西川今の言葉、そっくりそのままお返しする。

大友ええと、僕の話なんですけど。

西川失礼(笑)。

大友とにかく僕は、特殊な立場で仕事をしていますから、無条件で手を貸してくれる味方がいるのは大切なことなんです。同期の絆は、僕にとっては一番大事なものですね。

沖田お、いい話に持っていこうとしてるな。

大友いえいえ、そんな……もちろん、優斗(大友の一人息子)との絆が一番大事ですけど。

基本的に、同期は互いに庇い合うものですよね。

沖田それがなかなか、そうもいかないんだよなあ。

西川まったくその通り。

大友あれ? そう言いながら、お二人とも意見が合ってるじゃないですか。

沖田こんなことで意見が合っても、何にもならないよ。

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