伝説の幻想作家、8年ぶりの連作長編小説。

シブレ山の石切り場で事故があって、火が燃え難くなった世界。
「I 飛ぶ孔雀」 回遊式庭園で催される真夏の大茶会。火を運ぶ女に選ばれた娘たちに孔雀が襲いかかる。
「II 不燃性について」 公営浴場で路面電車の女運転士に出会ったKは、大蛇うごめく地下世界を遍歴する。


火の所有は人類の神話の起源である。不燃の世界、神話が没落した時代に、彗星のごとく還ってきた山尾悠子が新たな神話圏を築いた。罪を贖う壮大な天地の崩壊に戦慄せよ!
――清水良典(文芸評論家)

読み終えて、満たされて、ひと息ついても、まだ満たされない気持ちが快く残る、終わっても終わりきらない物語。
――金原瑞人(法政大学教授・翻訳家)


著者紹介

山尾悠子(やまお・ゆうこ)

1955年、岡山市生まれ。同志社大学文学部国文学科卒業。75年、「仮面舞踏会」(「SFマガジン」早川書房)でデビュー。著書に『夢の棲む街』『仮面物語』『オットーと魔術師』『山尾悠子作品集成』『ラピスラズリ』『歪み真珠』『夢の遠近法』『角砂糖の日』(歌集)など。


八王子市夢美術館にて>> 

『飛ぶ孔雀』の装画に使用させていただいた清原啓子の《絵画》が展示されます。
八王子市夢美術館では、7月1日まで、《絵画》のほか、《領土》《魔都霧譚》など清原啓子の銅版画8点を公開しています(「展示室」にて、堀井英男の銅版画と共に展示)。「伝説の出会い 清原啓子と山尾悠子」として、『飛ぶ孔雀』も並べられています。この機会にぜひ、清原啓子の精緻な作品をご覧ください。