──松岡修造さんの新刊『本気になればすべてが変わる』には、人生を楽しくするためのヒントが七十項目も挙げられています。どれも、ご自身の体験に裏打ちされたものですね。
松岡 ほとんどは、失敗体験から学んだことなんです。「こういう失敗があったから自分は変われたのかな」という気づきがあれば、それは人生が変わるほど大きなヒントになると、僕は信じているんですよ。
──〈失敗を“宝”に変える〉ということですか?
松岡 そうですね。人間って、失敗するたびに「こうすればよかったんじゃないかな」と、ものの見方や感じ方、考え方が、だんだん変わっていきますよね。その心の変化の過程を冷静に見つめ直すことは、自分自身を知る手がかりにもなると思います。
その心の過程を参考にしていただき、読者がそれぞれに〈自分なりの本気の見つけ方〉を探っていただければ嬉しいです。
──テレビなどで拝見する松岡さんには、〈熱血〉や〈気合〉というイメージがありますが、実際にはご自身を第三者的に見るクールな面があるのですね。
松岡 自分のことを〈熱い〉と思ったことは一度もありません。なんで〈熱血〉と言われるのか不思議なくらい(笑)。
むしろ僕は、慎重にものごとを考え、緻密に計画してから行動に移すタイプなんです。いつもテンションが高いように思われることが多いのですが、実際には、いきなり本気になるわけではなく、僕なりに自分の心の声を聞いて考えるという過程があります。
その心の過程を参考にしていただき、読者がそれぞれに〈自分なりの本気の見つけ方〉を探っていただければ嬉しいです。
──〈自分の心の声を聞く〉は、この本の大きなテーマの一つです。
松岡 実行するのはなかなか難しいけれど、自分と向き合わなければ、本気になれることも見つからないでしょう。
最近、「どうすれば本気になれますか?」という質問を、いろいろな人からよく受けるんです。「忙しい」「難しい」といった理由で、自分の心の声に耳を傾けていない人が多くなっているような気がします。
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