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累計発行部数が75万部の畠中恵さんによる「まんまこと」シリーズの連続ドラマ化が、NHK木曜時代劇枠にて決定し、13日制作発表記者会見が行なわれました。
「まんまこと」シリーズ(『まんまこと』『こいしり』『こいわすれ』文春文庫、『ときぐすり』文藝春秋)は、江戸神田を舞台に、玄関で揉め事の裁定をする町名主の跡取り息子の麻之助が、幼馴染の色男・清十郎、堅物・吉五郎らと支配町から上がってくる難問に立ち向かう時代小説。
制作発表には主演の高橋麻之助役の福士誠治さん、親友の八木清十郎役の桐山漣さん、相馬吉五郎役の趙珉和さんの三人組、ヒロインお寿ず役の南沢奈央さん、お由有役・市川由衣さんの若手キャストに加え、父親役の石橋蓮司さん、高橋英樹さんという大ベテラン、さらに巳之助役のえなりかずきさん、端唄の師匠役の桧山うめ吉さん、語りを担当する六代目柳家小さんさんらが登壇。江戸を舞台にした人情ミステリードラマにかける意気込みを熱く語ってくれる、賑やかな制作発表となりました。
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普段は頼りないものの、並外れた推理力で事件を解決に導く麻之助役の福士さんは、
「男同士三人でのやりとりを楽しく、学生のりといっては時代物ではおかしいですが、時にはみ出すくらいの勢いで演じたいですし、時代劇の大先輩の方々との共演においても、色々と学ばせていただきたいと思っています。役柄、怒られる場面が結構多いのですが、その延長で駄目な部分は遠慮せずにお叱りいただければ……でも、本音をいうと、とにかく楽しくやりたいです」
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色男で女性には滅法強い清十郎を演じる桐山さんは、
「連続ドラマでの時代劇は今回が初めてのこととなります。現代もののドラマではイケメン役がこれまで多かった経験を活かして(笑)、“江戸の”色男としても説得力が出るように演じたい。ただの遊び人というのではなく、清十郎の寂しさや孤独な部分も、生々しく出せたらと思います」
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二人とは正反対で、堅物の同心見習いという設定の吉五郎役の趙珉和さんは、
「幼馴染の三人で登場するシーンは多くありますが、それぞれのカラーが違うので、そのちぐはぐな感じも面白いんです。吉五郎という役はどこか不器用で、それは役者としての自分もそう。自然と地を出していきたいですね」
と抱負を語りました。すでに台本(ほん)読みを通し、それぞれに手ごたえを感じているとのことですが、キャラクターの独特の雰囲気と三人組の絶妙なバランスは、撮影が進むにつれてさらに熟成されていきそう。
脚本が軽快でテンポがいい、とヒロインの南沢奈央
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また畠中さんの原作をベースにした台本は、「軽快でテンポがよくて、三人組のやりとりが楽しい。私も謎解きに絡んでくる場面で、その絶妙な輪の中に入っていきたい」(南沢奈央さん)、「くすっと笑えてほのぼのとする魅力的な作品。麻之助の初恋の女性という設定は全10話につながるので、魅力的に演じたい」(市川由衣さん)と、女優陣にも好評。
さらに時代劇ファンにとっても見逃せないのは、大ベテランの石橋蓮司さんや高橋英樹さんの存在感。清十郎の父親役の石橋さんは、
「本当は三人組の中に入りたいんですけれどね」と笑いをとりつつ、「時代劇ではありますが、江戸時代の青春というのは現代の人も充分に共感できると思う。その楽しさや哀しさをのびのび演じてほしい。失敗したっていいんだから」と語っていました。
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麻之助の父親役の高橋さんは、
「色々な役を時代劇では演じてきましたが、町名主というのは初めてですね。ただ、父として子の成長を見守るのは、どこの家でも、いつの時代でも同じだなあと……。共演する若い方たちには、石橋さんと自分は漫才でもしながら(笑)江戸の風景を作ろうと思いますので、あとは思い切りよく動いてほしいですね」
そのほか、「温かい話の中でスパイスになれたら」というえなりさん、寄席で三味線を弾いている腕前を劇中でも披露する桧山さん、町の噂に通じる芸人の視点でドラマを進行することになる柳家小さんさんをはじめ、個性的なメンバーもずらりと揃え、一体どんな人情ドラマが展開されていくのか――。
NHK木曜時代劇「まんまこと~麻之助裁定帳~」は2015年7月16日~9月17日、毎週木曜日総合午後8時~、全10回放送予定。なお、2015年6月には「まんまこと」シリーズ最新刊『まったなし』、7月には『ときぐすり』文春文庫版の発売も決定しています。
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