作品
太平洋戦争前夜、国家の命運を担い空の戦士となった日米二人の青年には共に想いを寄せる美しき女神がいた。歴史の波に翻弄され散華した青春にたむける鎮魂の叙事長篇。(安間隆次)
衆人環視の満員電車の中で起きた殺人事件など、日常に潜む殺意を描く推理短篇集。「通勤快速殺人事件」「魔性ホテル」「団地殺人事件」「愛社精神殺人事件」「醜い高峰」収録。(石井啓夫)
吉良家の用心棒をしていた朽木主膳は、赤穂浪士の討入りに居合わせず、武士の面目を失った。自己の足場を喪失した男が殺し屋となり果て、凄絶に生きるさまを描いた忠臣蔵異聞。
元詩人志望の戦闘機乗り降旗には特高に殺された恋人がいた。昭和十七年、中部太平洋を鮮血に染めたミッドウェイ戦。異色叙事詩!
わが臓器が盗まれた。謎の美女にさそわれて、行方を絶った男はいまどこに? 一匹狼の調査屋は、総合病院が企てる完全犯罪を追う。臓器移植という主題を奇想あふれる筆で描く。
次々と発見される他殺体。一見、無関係と思われる事件をつないだ黒い糸。さらに、すでに解決ずみかと見えた犯罪の裏には、より大いなる謀略の意思が潜んでいた。(解説・成田守正)
空中ロープウェイで展開される戦慄のラストシーンが圧巻の表題作ほか、「闇よ、やさしく」「ダイイング・メッセージ」「燃えがらの証」「回転扉がうごく」を収録する。(森村誠一)
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