作品紹介

「日本および日本人とは何か」を問い続け、『「空気」の研究」など多くの名著を遺した山本七平。そして、その彼が最も畏れを抱いた小林秀雄。そもそも山本七平にとって、小林秀雄は、気軽に取り上げられる対象ではありませんでした。
1951年刊行の創元社版の小林秀雄全集を「徹底的に読み返し読み返し、暗記するまで読んだ」という山本七平は、生前、一度も本人に会ったことはなく、小林秀雄論を書いたこともなく、そればかりか、自らの原稿で言及したり引用したことは一度もなかったと言います。それほど畏れ多い存在だったのです。ところが訃報の直後に小林秀雄について書くよう不意に依頼を受けます。「お前はまさか、もう小林秀雄が絶対に読まないと思って、引き受けたのではあるまいな」との自問と畏れを伴いながら執筆されたのが本書です。
「自分に関心のあることにしか目を向けず、書きたいことだけ書いて現実に生活していけたら、それはもっとも贅沢な生活だ。そういう生活をした人間がいたら、それは、超一流の生活者であろう。もう四十年近い昔であろうか、私が小林秀雄の中に見たのはそれであった。そして私にとっての小林秀雄とは、耐えられぬほどの羨望の的であった。」
山本七平が小林秀雄から受けたのは、文字通り「衝撃」でした。そして「小林秀雄の言動はなぜ社会に衝撃を与えたか」と問い、「過去を語ることによって未来を創出している点」こそ「衝撃」だったと述べています。
単なる批評家ではなく「生活者」としての小林に着目する点において、数ある小林秀雄論と一線を画しています。「自分に関心のあるものにしか関心をもたず、書きたいことしか書かず、また出したい本しか出さないで、しかも破綻なき生活者であること。どう生きればそれが可能なのか」――その「秘伝」が、本書で描かれる「小林秀雄の流儀」です。
(解説・小川榮太郎)

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担当編集者より
小林秀雄ほど、同時代に、そして後世に、絶大な影響力をもった批評家は他にいません。それはなぜでしょうか? 著者は「過去を語ることで未来を創出したからだ」と述べています。「自分に関心のあることにしか目を向けず、書きたいことだけ書いて生活した」小林秀雄は、山本七平にとって「耐えられぬほどの羨望の的」でした。小林秀雄の魅力の核心に迫る書です。解説は小川榮太郎氏。小林に真剣勝負を挑んでゆく本書を、「あなたを激変する知識の渦から救出する格好の道場たり得てゐる」と賞賛しています。
商品情報
書名(カナ) コバヤシヒデオノリュウギ
ページ数 352ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2015年12月20日
ISBN 978-4-16-813056-4
Cコード 0195

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