- 2016.04.29
- 書評
『はんざい漫才』の読みどころを漫才で解説してみました!
文:三浦 昌朗 (漫才師(ロケット団))
『はんざい漫才』 (愛川晶 著)
出典 : #文春文庫
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
三浦 どうもこんにちは。ロケット団の三浦昌朗です。
倉本 倉本剛です。
今回のこの「はんざい漫才」は寄席の漫才師がでるということで、我々が解説を書かせていただくということになりました。
三浦 本当にありがたい話ですよね。
倉本 そうですね。
三浦 ただ、まだ読んでないんですけど。
倉本 何でだよ!! ダメだろ読んでないのに引き受けちゃ!! 読んだでしょ?
三浦 読みましたよもちろん。特に僕はミステリーが大好きですから一気読みしてしまいましたよ。
倉本 だったらちゃんと解説して下さい。
三浦 ただ、いつまでたってもスケキヨが出てこないのでおかしいなあと思ってましたよ。
倉本 当たり前でしょ!! それ別の本だよ!!
三浦 この小説には「神楽坂倶楽部」っていう小屋がでてくるんですけど。
倉本 舞台になっている所ですね。
三浦 で、本物の小屋の名前とかもでてくるんです。
倉本 そうですね。
三浦 楽屋の描写もものすごくリアルなんですよ。
倉本 我々も毎日寄席に出させていただいてるのでよくわかりますよね。
三浦 だからオレこないだ間違って神楽坂に行っちゃったよ。
倉本 間違えるなよ!! そこは実際ないフィクションですから!!
三浦 思わず探しちゃったよ神楽坂倶楽部。
倉本 探すな!! でも本当にリアルに描かれているので我々出演者も、寄席を知らない人も楽しめますよね。
三浦 出てくる師匠方も、色んな人がいましたけどね。
倉本 そうですね。
三浦 寿笑亭福遊師匠とか、山桜亭馬春師匠とか、揚羽家きよ子師匠とか、ほとんど会ったことのない師匠ばかりでしたけど。
倉本 当たり前だよ!! 小説だから!!
三浦 じゃあ実際モデルになった師匠とかはいるかもしれないですね。
倉本 確かにいそうだなあって感じの人が出てきますね。
三浦 例えば松葉家常吉師匠は「無口だが、温かい人柄」「協会員からの信頼も絶大」っていうね。
倉本 はいはい。
三浦 あの師匠がモデルかな? それともあの師匠かな? とか。
倉本 そういう楽しみ方もできるね。
三浦 あと花山亭喜円師匠。芸の上では名人でも、人柄に問題があり、っていう。
倉本 はい。
三浦 これはもうあの師匠しかいないな、とかね。
倉本 やめなさいよ!! そこはいいでしょ別に。あとは何と言っても我々と同じ漫才がでてきますからね。