作品
美しい姉といつも脇役の妹。だが結婚後、立場は逆転してしまう。姉妹の心の葛藤と家族愛をテーマにした表題作のほか向田ドラマの傑作「花嫁」「当節結婚の条件」を収録。(鴨下信一)
仕事運に恵まれず一人息子にも先立たれてしまったせい子と宙太郎夫婦は葬儀屋で働くことになった。二人にふりかかる様々な事件と下町の人情をほのぼのと描く向田ドラマの小説化。
(上を参照)
作家・向田邦子の飛行機事故死から十余年。その遺志の料理屋を守り続ける末妹が、姉への思い、母、愛猫、幼少時代を綴る感動の随筆
石川達三、立原正秋、向田邦子、子母澤寛、山本周五郎、幸田文、井上靖、十返肇、有馬頼義、今東光、寺山修司。十一人の懐しき人々
作・向田邦子、朗読・森繁久彌の名コンビによる連続ラジオエッセイ。向田文学のデビュー作であり、のちに名作とよばれた小説・エッセイの種がちりばめられたファン待望の著。
年をとるということは、生き方と同じ比重で、死に方を考えるということである――。取材で出会った人々や、旅先の美味などについて語る現代版徒然草。向田邦子を偲ぶ一文も収録。
徳川家康、西郷隆盛、大久保利通らの足跡に触れ、向田邦子、子母沢寛、中野好夫らの思い出をしみじみと語り、我が来し方を振り返りつつ歴史に思いを致す滋味あふれるエッセイ集。
桐島洋子や向田邦子のように生きたい――八○年代前半に流行した女性誌が謳ったキャリアウーマンに憧れ、結婚しなかった女たちの現実と本音を鋭く追究する。同世代に訴えた話題作。
岡本綺堂から向田邦子まで昭和生れの傑作娯楽小説五十篇が勢揃い。時代を代表する名作から、ユーモア、時代物、怪奇幻想小説などあらゆるジャンルの娯楽小説の大アンソロジー。
生きている時間が長くなるにつれ、別れは深い爪跡のように心に刻まれる。中野重治、向田邦子、隣家の少年――ひたむきに生きた死者たちの歩みよる気配を愛惜をもって綴る。
小説集。思い出トランプ/あ・うん/隣の女/男どき女どき(小説)/寺内貫太郎一家/年譜
著者が生前に目を通した最後の本「霊長類ヒト科動物図鑑」、没後に刊行された「女の人差し指」「夜中の薔薇」「男どき女どき」を収録
これほど惜しまれた人も少ない。突然現われてほとんど名人であると言わしめた全エッセイと全小説を七回忌を機に全三巻にまとめた
どんな作家にも呑み込まれないぞとの気負いを少年時代に抱いたという著者が、優れた読み手との評判を得た連載書評と井上ひさし、向田邦子、山本周五郎らの作家論を収録。(杉山隆男)
昭和五十六年八月二十二日、向田さんは台湾上空に逝った。向田文学を愛し、その死を惜しむ吉行淳之介、山口瞳、澤地久枝氏らによるオマージュを、懐かしい数々の写真で飾る。
この対談には「一瞬の女のイノチが輝いている」と山口瞳さんは言う。水上勉、吉行淳之介、二子山勝治ら十七人の対談者にそれぞれの思いを残させた希なひとによるただ一つの対談集。
表題のエッセイを週刊文春で連載中に突如航空機事故に遭遇した著者の遺作集。ドラマ裏ばなし、おいしいものに目がなかった著者の食べものの話、一番のたのしみの旅の話を収録。
すぐれた人間観察をやわらかな筆にのせて、あなた自身やあなたを取りまく人々の素顔をとらえて絶賛を博した著者が、もっとも脂ののりきった時期に遺した傑作ぞろいの第三作。
西鶴の現代版ともいうべき人妻の恋の道行きを描いた表題作をはじめ、ハイミスのOLの微妙な心理を扱った「胡桃の部屋」。他、「幸福」「下駄」「春が来た」四篇収録。(浅生憲章)
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