作品
亡き藩主への忠誠を示す「追腹」を禁じられ、懊悩の年月を生きる初老の武士。人の世に生きる切なさを格調高く描く、感動の中篇集
京から江戸に下った豆腐職人・永吉と妻おふみ、そして子供たち。親子二代の有為転変にかけがえのない家族の絆を描いた直木賞受賞作
三段跳び・織田幹雄からプロゴルフ・樋口久子まで38名のスポーツ界のエリートたちの”その瞬間”を体当たり取材で描いた傑作!
島原の芸妓・糸里は土方歳三に密かに思いを寄せていた。二人の仲を裂こうとする芹沢鴨には、近藤派の粛清の白刃が迫りつつあった……
岡本武蔵と平田武蔵。共に剣の道を進み、京で、江戸で複雑に絡み合う。果して巌流島で佐々木小次郎を倒すのはどちらの武蔵なのか
隠居の日を楽しみに奮励する上野介の悩みは、最近人の名前を思い出せないことだ。好漢清水一学の恋もからめた討たれる側のドラマ
世界有数の大都会江戸、お上から庶民まで共通の悩みは、大量のゴミの処理だった。「くくり猿」「瓜長者の野望」「苦笑仏」「春のうららの十万坪」「芝浦海戦記」他二篇収録。(縄田一男)
「国姓爺合戦」で知られる鄭成功。明朝末期、海賊の子として生まれ、清朝に敢然と孤独な戦いを挑んだ悲劇の英雄を描いた海洋歴史小説
シャムに渡ってアユタヤの日本人町の頭領となった山田長政は内戦の鎮圧が国王に認められて宮廷の武将としての頂点に立った。異国で波瀾の生涯を送った男の夢と冒険。(縄田一男)
京の公家の娘悠姫は、駿河の今川氏親のもとに嫁ぐ。武家と公家の違い、激動する戦国の世にとまどいながらも、今川義元の母として時代を生き抜く女を描く、歴史長篇。(縄田一男)
信長の死後、熾烈な権力闘争が起こり、秀吉暗殺の刺客集団が暗躍する。しかし、秀吉暗殺は未遂に終わった。秀吉の破天荒な生涯を追いながら、戦国武将の夢と野望を描く。(縄田一男)
志摩の土豪から身を起こした九鬼嘉隆は織田信長の知遇を得て運命がひらけた。織田水軍の総大将として海戦に明け暮れた戦国大名の数奇な人生を描く柴田錬三郎賞受賞作。(縄田一男)
出戻りのみつは兄の知人と名乗る久兵衛と仏師の卯助を泊めるが、世間に贋札が出回って……。「長崎犯科帳」「みのむし」「死ぬということ」「青苔記」「応天門始末」他二篇収録。(縄田一男)
人骨を使って死んだ友を蘇らせようと、妖しい術に手を染める西行法師。しかし蘇ったものは――。表題作ほか「水阿弥陀仏」「上海魚水石」「放屁権介」「蟻通し」を収録する歴史奇談。(縄田一男)
黄金丸の船大将・笛太郎は、シャムを本拠地とする実父と宿命的な対決をする。海賊の生態を描いて、海洋時代小説の金字塔となった直木賞受賞作「海狼伝」の続篇。(縄田一男)
派手好みの対馬藩の殿様は演能の席に、わざわざ朝鮮から氷塊を取り寄せるが、御船方にとっては命がけの航海となる……。直木賞受賞第一作の表題作を含む力作時代小説。(縄田一男)
徳川家康の命をうけて淀君誘拐を企む柳生但馬守。謀略に気づいた真田幸村と猿飛佐助が打った手とは。「柳生但馬守」「竹中半兵衛」「佐々木小次郎」「伊藤一刀斎」他四篇収録。(縄田一男)
祖父、父と三代にわたって、「江戸名所図会」を著わした斎藤月岑は、江戸最後の名主でもあった。表題作のほかに、デビュー作である「男の軌跡」を収録する力作。(縄田一男)
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