冲方丁・著『剣樹抄』
- 2019.07.10
- 『剣樹抄』刊行記念 冲方丁さんトーク&サイン会が開催されます
- 2019.07.10
- 特設サイトを公開しました。
- いやもう、無条件に、拾人衆たちの活躍にわくわくと興奮させられる。
娯楽大作映画のような、目前に広がる臨場感。
光國と拾人衆は、江戸の平和を守れるのか?(大垣書店豊中緑丘店 井上哲也さん) - 江戸市井の情緒を巧妙に織り交ぜながら、あまりにも熱く激しい心の葛藤をものの見事に描き切る――稀代のストーリーテラーである冲方丁は、またひとつ大きな頂に登りつめた。
この筆さばき、鮮やかだ!!(三省堂書店有楽町店 内田剛さん) - 連載当初から冲方ファンのあいだで「大江戸シュピーゲル」と呼ばれていたので期待値爆上げでしたが、まさにその期待を裏切らない面白さ!!
了助の成長と、光國がそれにどう関わっていくのかが面白さのキモだと思います。(よむよむ坂戸入西店 阿部千鶴子さん)
四歳の時に父を旗本奴に殺された六維了助は、育ての親・三吉も明暦の大火で亡くしてしまう。それ以来、一人で生きていくために深川で芥運びをしつつ、自我流で木剣の腕を磨いていた。
ある事件をきっかけに水戸光國から木剣の腕に目をつけられた了助は、幕府隠密の組織「拾人衆(じゅうにんしゅう)」に引き入れられる。「拾人衆」とは、捨て子のうち、特別な才能を持つ者を集め、諜者として育てる組織だった。
了助は、様々な能力に長けた拾人衆の仲間たちとともに、江戸を焼いた「明暦の大火」が幕府転覆を目論む者たちによる放火だったのではという疑惑を追うが――
明暦の大火で炎に飲まれ、焦土と化した町。
そこから復興せんとする江戸を舞台に、新しい諜報絵巻が、いま始まる!
明暦3年1月18日に起こった火災は2日間にわたって荒れ狂い、江戸はほとんどが焦土となった。人々は火を逃れて掘に飛び込み、堀は死人で埋まった。また、餓死者・凍死者が続出、その犠牲者は10万人ともいわれる。発展を重ねてきた江戸が、開幕以来初めて経験した大きな災禍である。この時に焼け落ちた江戸城天守閣は、その後再建されることはなかった。
一方、これをきっかけに幕府は江戸の防災都市化に本格的に着手。また、復興景気が呼び水となり、江戸の繁華の始まりともなった。