【ニュース】2016年本屋大賞受賞! 宮下奈都・著『羊と鋼の森』
本日、本屋大賞実行委員会より「2016年本屋大賞」が発表され、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』が第1位となりました。宮下さんは2回目のノミネートでの受賞となります。
『羊と鋼の森』あらすじ
高校2年生の2学期、たまたまその時教室に残っていたからという理由で、担任から来客を体育館に案内するように頼まれた主人公・外村(とむら)。それが、外村の人生を変えることになったピアノ調律師・板鳥(いたどり)との出会いだった。
どんどん音色が澄んでゆき、音の連れてくる景色が浮かぶような板鳥の調律を見ているうちに、外村は調律の仕事に惹かれるようになり、板鳥の勧めに従い調律師の専門学校で2年間の月日を費やして調律の技術を学んだ。
外村は、ついに板鳥の働く楽器店に調律師として就職することになるが、ピアノの調律の世界は、森のように奥深く、静かで、知れば知るほど遠くに感じるものだった。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
ピアノの音色に魅せられた一人の青年が、調律師として、そして人として成長する姿を、温かく静謐な筆致で綴った長編小説。
著者略歴
宮下奈都(みやした なつ)
1967年1月2日生まれ、福井県福井市出身。89年上智大学文学部哲学科卒業。2004年、3人目の子供を妊娠中の36歳の時に初めて書いた小説「静かな雨」で第98回文學界新人賞佳作に入選、デビュー。〈作品〉『スコーレNo.4』2007年光文社刊。『遠くの声に耳を澄ませて』09年新潮社刊。『よろこびの歌』09年実業之日本社刊=第26回坪田譲治文学賞候補。『太陽のパスタ、豆のスープ』10年集英社刊。『田舎の紳士服店のモデルの妻』10年文藝春秋刊。『メロディ・フェア』11年ポプラ社刊。『誰かが足りない』11年双葉社刊=第9回本屋大賞7位。『窓の向こうのガーシュウィン』12年集英社刊=第28回坪田譲治文学賞候補。『つむじダブル』(小路幸也氏との共著)12年ポプラ社刊。『終わらない歌』12年実業之日本社刊。『はじめからその話をすればよかった』(エッセイ集)13年実業之日本社刊。『ふたつのしるし』14年幻冬舎刊。『たった、それだけ』14年双葉社刊。『神さまたちの遊ぶ庭』(エッセイ集)15年光文社刊。『羊と鋼の森』はTBS系「王様のブランチ」ブックアワード2015大賞受賞、「キノベス!2016」第1位。