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はち巻岡田、紬屋吉平、金田中、ゑり円――女手ひとつで生き抜いた老舗のお内儀や経営者二十三人にインタビューし、“銀座の女”の生き方を温かい目で見つめる。
警部は真冬のヨークシャーへと重い腰を上げた。北海の霧につつまれた小漁村で若い美女が殺されたのだ。滋味横溢の情景描写と魅力的な人物造形、アメリカ産の英国風ミステリー。
暮らしの隅々に彩りを添えてくれる指輪、手鞠、市松人形、竹細工などの作り手の工房を訪れ、その繊細な手仕事にこめられた美の秘密を、優しくもきびしい目で感じとったエッセイ。
竹久夢二の描く「黒船屋」の女に似た幻の女性をとりまく画家、美術評論家、画商。次々と起こる殺人事件にまきこまれる彼らと謎の女性を格調高く描いた異色ミステリー。
新設大学のテニス部員椎名燎平と彼をめぐる友人たち。青春の短い季節を駆けぬける者、立ちどまる者。若さの不思議な輝きを描き、テニスを初めて文学にした長篇小説。(古屋健三)
「万葉集」誕生から千二百年余。時を超えて詠み継がれてきた和歌の歴史を貴重な絵画図版とともにたどり、あまたの歌に脈々と流れる日本人のうたごころ、その美意識を探る。
「昔別れた女って、おいしそうにみえるのかな」大人の情事を冷めた目で捉えた表題作に「京都まで」の直木賞二作品を含む充実の短篇集
戦後、女性が強くなったものの一つに酒がある。男性の女性に対する偏見を正面から論駁し、女性の権利を堂々と主張しつづけて十年。「女の長風呂」シリーズ、ついに十冊目の随筆集。
北海道の片田舎出の英語好き少女が留学して、ニューヨーク生活十七年。実生活の中で身につけた有益な英語体験を綴る爽やか青春記
十八歳で吉原に売られ、七年の遊女暮らしに泣いた薄幸の著者の祖母。その苦界での日々を明治期吉原風俗を背景に描く鎮魂の画文集
古くは中国、近くは西洋の影響を受けながら日本文学に通底する独自性とはいかなるものか。その総体に“共時的”に触れる文芸評論