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朝の光のなかで竹に縋り歩く稽古をする薄幸の娘。表題作のほか「馬五郎焼身」「おふく」「穴熊」「しぶとい連中」「冬の潮」を収める。市井の人々の哀切な息づかいをえがく名品集!
ダリ、柴田錬三郎、谷内六郎らの登場する日常の、不眠症、禿、蟻、ナメクジに心捉われるもう一面。卑俗性に発して悠久の宇宙観まで芸術家のゆれ動く心を微細に綴った日録。(中沢新一)
幕末の京で“不敗の剣法”と畏怖された示現流。開祖・東郷重位の軌跡を活写する表題作のほか、「桜田門外の光芒」「寺田屋の散華」「煙管入れ奇聞」など名剣豪小説の揃い踏み。(武蔵野次郎)
鶴ヶ城落城にともなう殺戮と大量自刃の恨みも消えやらぬうちに、苛酷な運命が会津藩士と家族を襲った。実高僅か六千石という酷寒荒蕪の青森県斗南地方への移住である。(解説・綱淵謙錠)
太田道灌の山吹の古歌の逸話は真実か。八幡太郎義家、楠木正成、謙信、信玄、秀吉等々、忠臣、朝敵、乱世の梟雄たちの魅力を余すところなく語る歴史人物論。(尾崎秀樹)
男が狡いか、女が残酷か。男女の仲に永遠はない。束の間の情事にみる女の素顔を、洒落た筆で捉えた三十四のショート・ストーリー
東京落語と上方落語のちがい、講談・漫談とのちがい、女の落語家は何故いないか等々、当代一流の落語家にして文化人である著者が落語に関するすべてをやさしく語る。(矢野誠一)