『レス・ザン・ゼロ』の頽廃と青春。
『アメリカン・サイコ』の不穏と冷血。
アメリカ文学の鬼才、畢生の大作。
1981年秋に起きたこと。それを僕はついに書くことにした。
あの恐ろしい出来事を。
ハイスクールの最終学年。裕福な子女ばかりが通うバックリー校で、僕は人気者の子たちと調子を合わせながら、男子たちとセックスに耽り、家では『レス・ザン・ゼロ』という小説を書き進めていた。僕らが享楽の日々を過ごす一方、周囲には奇怪な出来事が頻々として起きていた――
不法侵入事件の多発。カルト集団の出没。校内のグリフィン像は何者かによって鯉の死骸で冒瀆され、〈曳き網使い〉なるシリアル・キラーが静かに徘徊していた。それがどんな恐ろしいことを引き起こすのか、あのときの僕はまだ知らなかった……。
享楽。虚無。無感覚。何か取り返しのつかないことが起こる予感。
80年代の頽廃をエリスの不穏な声がじわりじわりと綴ってゆく。
13年の沈黙を破って放たれた、米文学の鬼才の集大成的傑作。
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