電子書籍

新・国富論

グローバル経済の教科書

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2013年03月01日

歯に衣着せぬエコノミストが語る21世紀の『国富論』

2008年のリーマン・ショックに始まる「グローバル恐慌」は、現在もなお続き、その第2幕は「ユーロ危機」となって現れました。グローバル資本主義の時代にあっては、いかなる事象も「対岸の火事」ではありません。日本はどう生き延びていけばいいのか。浜氏が現状を分析し、日本が進むべき道を提示します。
現在の「グローバル恐慌」の根源には、国境を越えて自由に動き増殖する資本と国民国家体制の齟齬があります。それぞれの国民国家が切磋琢磨し、国富を増やすことで国民を豊かにできた時代は終わりました。しかし、先進諸国は、いまだにその齟齬に気づきながらも、新しい「国富論」を見いだせずにいます。
たとえば、グローバルな資本が安価な労働力によって作った安価な商品が外国からもたらされ、国内の雇用が奪われ、税収が減少するなか、福祉を維持しようとすれば、財政赤字が蓄積していく。そんなとき、自国出身のグローバル資本(たとえばユニクロ)に「出て行かないでくれ」といっても、聞く耳を持ってはくれません。こうして先進諸国はグローバル資本主義に対して、緊縮財政、自由貿易の規制(保護主義)と「愛国消費」によって対抗しようとしますが、この「自分さえよければ」という発想からなされる行動を先進諸国がとればとるほど、国際貿易は縮小し、それぞれの国民は窮乏化していきます。
しかし、逆に人間活動のすべてを市場原理に任せよ、というグローバル資本の要請にしたがって、国民国家が国民生活のインフラ(教育、医療、福祉など)から手を引けば、超格差社会が出現するのは目に見えています。「自分さえよければ」ではなく、「あなた(君)さえよければ」という発想で、経済活動を構築しなおすときが来ています。そのためにはどうすればいいか。根源的な考察と大胆な提案を問う新しい「国富論」です。

担当編集者より

「GDPが中国に抜かれた」「貿易赤字が増えている」。日本経済の行く末には暗雲が立ち込めています。でも、エコノミストの浜矩子さんは「そんなことは気にするな」と言います。カネが国境を越え、モノがグローバルな分業で生産されている今、ヒトをないがしろにする経済が生まれました。そんな世界では「国」を単位にした発想は通用しません。GDPが増え、企業が儲かっても国民は豊かにならない。ではどうすればいいのか。経済学の祖アダム・スミスの『国富論』をお手本にその答えを探りました。(HB)

著者

浜 矩子

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。

メディア関係者・図書館の皆様

表紙画像のダウンロード

ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

ネット書店で購入
電子書籍

新・国富論

グローバル経済の教科書

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2013年03月01日
ネット書店で購入

Rankingランキング

全て見る

Eventイベント

最新イベント

一覧を見る
話題の小説に登場する「あのトーストサンド」が北海道の食材で完全再現販売! 小樽「第3倉庫・食とアートのイベント」(10月12~14日)で特別販売
話題の小説に登場する「あのトーストサンド」が北海道の食材で完全再現販売! 小樽「第3倉庫・食とアートのイベント」(10月12~14日)で特別販売
【アーカイブ映像公開】石田衣良『男女最終戦争 池袋ウエストゲートパークXX』×井上先斗『イッツ・ダ・ボム』新刊発売記念オンライントーク
【アーカイブ映像公開】石田衣良『男女最終戦争 池袋ウエストゲートパークXX』×井上先斗『イッツ・ダ・ボム』新刊発売記念オンライントーク
第31回松本清張賞受賞作『イッツ・ダ・ボム』はどこが“新しい”のか? 著者・井上先斗さんトークイベントを紀伊国屋書店新宿本店にて開催
第31回松本清張賞受賞作『イッツ・ダ・ボム』はどこが“新しい”のか? 著者・井上先斗さんトークイベントを紀伊国屋書店新宿本店にて開催
吉永南央「紅雲町珈琲屋こよみシリーズ」特設サイト 阿部智里「八咫烏シリーズ」特設サイト 米国を代表する作家、スティーヴン・キングの特設サイト 文春文庫は50年を迎えました! 特設サイト 2024 文春文庫 秋100ベストセレクション 佐伯泰英特設サイト