殺生を禁じるのが、本来の教えであるはずの仏教。それが国と一体となって戦争を推進した時代があった。多くの寺院、文化財を破壊した廃仏毀釈を追った『仏教消滅』の著者が、昭和の戦争に至る、日本仏教界最大のタブーに挑む。
従軍僧の派遣、戦争を正当化する「戦時教学」「一殺多生」の提唱のみならず、梵鐘や仏像などを軍事物資の製造のために供出したり、宗派を挙げて軍用機を献納、軍艦製造に多額の寄付を行うなどの闇の部分に迫るべく、各地の寺院に残る戦争の痕跡を粘り強く訪ね、資料を丹念に掘り起こした、類のない歴史ドキュメント。
・「上野の大仏」が顔だけになってしまった理由
・四天王寺の「世界最大の梵鐘」が消えた
・著者の寺に掲げられていた「開戦詔書」
・「明照(上人)号」「花園妙心号」……各宗派が献納した軍用機
・朝鮮、台湾、満州……植民地は仏教布教のフロンティアだった
・東本願寺の門に「挺身殉国」の大看板 ほか
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