「私」はアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、迦陵頻伽(かりょうびんが)の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。解説・川本三郎
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