書名(カナ) | ミカワノオオカミヤマイヌ ショウネンノコロニミタミョウデフシギナイヌノショウソクヲタズネテ |
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ページ数 | 192ページ |
判型・造本・装丁 | A5判 軽装 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2015年03月12日 |
ISBN | 978-4-16-008828-3 |
Cコード | 0095 |
伝説や古文書で伝わる毛物の足跡と絶滅の原因を探る――
昭和19年、少年だった著者は明治期に絶滅したとされるオオカミを確かに見た。現地の証言を集め、自身の体験も綴った迫真のノンフィクション
(以下本文より)
……三河の野生動物の多くは、木曽山脈の恵那山から北設楽の稲武、津具、豊根の山地に南下したものが主流である。これに伊那山地と赤石山脈系が、天竜川と宇連川を渡って加わっている。彼らの多くが行き着く先が、木曽山脈南端に隆起した本宮山であり、隣接の鳳来寺山周辺であった。その中でオオカミ・山犬の話が多かったのは稲武で明治二〇年代まで、途中の大鈴山は明治の初めまでである。そして、鳳来寺山系には明治の半ばまで、本宮山系は昭和の後期まで生息していた。……私が知り得たのは、昭和時代まで生き残った杣坂系と額堂山系そして山頂―田原坂系の三群だけである。彼らはいずれも平成になる前に姿を消した。
……私がこの妙な犬を知ったのは、子どもの頃手伝いに行っていた山が偶然、彼らの縄張りの中心であったからである。犬は日暮れに私の目の前に現れて、彼らの言葉で話しかけて来たのである。 この本にはそのような私の体験と、彼らの消息を尋ねて三河の山里で聞いた話の他に、縄張りと縄張り内の出来事を発生順に書いた。日本のオオカミ・山犬に関心がある人なら、彼らが人里近くの山で、人間と似た家族生活を送っていたことを知れば、驚き、興味を持つはずである。そして彼らがどうして絶滅したか、本書で理解されるであろう。
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