書名(カナ) | ヒトリノゲカイガデキルマデ ソノセイタイトキセキ |
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ページ数 | 344ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2022年08月30日 |
ISBN | 978-4-16-009029-3 |
Cコード | 0095 |
1953(昭和28)年生まれの著者は、1972(昭和47)年に創設された自治医科大学に1973年に入学した第2期生。地域医療への貢献を使命とする自治医科大学には日本全国から優秀な若者たちが集い、卒業後それぞれの地元に帰って公立病院などで勤務していますが、著者もそうした例にもれず、出身地徳島に戻って町立病院の外科医長として粉骨砕身働きます。しかし、その使命からすれば当然のことですが、都会地を離れた地域で働く医師は、医療全般に通じていることが期待され、内科から外科、小児科、婦人科等々までカバーする総合診療医的な仕事にならざるをえません。そうした状況に飽き足らず、一度は外科の専門医として誇れる自分でありたい、と願った著者は、30代半ばにして、母校が埼玉県大宮市(現・さいたま市)に創設した第2病院に国内留学、本格的な消化器外科専門医としての道を歩み始めます。本書はそうした著者の、医師を志すに至った少・青年期の想い出から、自治医科大学で受けた教育、恩師や友人たちとの交流、医療現場におけるほろ苦い失敗や心温まる出会いまで、医師として歩む中で得たさまざまな経験を、時にユーモラスに、時に心を込めて書き綴ったものです。読者は、外科医というのはこうした修業をし、こうした経験を重ね、日々こうしたことを考えているという、普段なかなか垣間見られない「白衣の内側」の姿を見つけ出すことでしょう。だからこそ著者は言います、「医療の門外漢にこそ読んでほしい。そして、全国の医師を目指す若者や医学生、若手の医師らにもよんでほしい」と。これは「医師の本音」に接することができる貴重な本です。
まえがき
Ⅰ 忘れえぬ患者さん その一
初めての看取り――医師になって一年目のこと
船長さんとの最後の乾杯――医師になって八年目のこと
進行胃癌の奇跡的結末――医師となって一五年目のこと
Ⅱ 私の歩んできた道
恵まれた学生時代とその後
友人列伝1 知恵ある友、黒木昌寿君
友人列伝2 偉丈夫の読書家、須貝昌博君
友人列伝3 根性の男、山口祐司君
友人列伝4 クールな秀才の自然体、高山昌史君
友人列伝5 弥次喜多珍道中、藤原恭一郎君
友人列伝6 怒った顔を見たことがない、辻博君
友人列伝7 一人だけ満点を取った、上沢修君
友人列伝8 スキー愛好家、菅沼弘君
「検死報告」騒動記――若さゆえの意地っぱりだったか
「決めぜりふ」への逆襲――外科医は営業マンである
二五年という歳月――私は怖い医師だった?
共済病院日月抄――病院四六年の歴史のうち、後半一五年に関わってきた外科医の記憶
みずほ台病院 三〇/四〇――病院とほぼ同じ時を刻んだわが医師人生
自治医科大学創立四〇周年に寄せて
わが臨床外科医人生を小括する――信念と自戒の言葉
Ⅲ アッペ、結石、胃内視鏡
たかが「アッぺ」、されど「アッぺ」
“石”との、長きにわたる、そして終わりたくない付き合い
昔取った杵柄、胃内視鏡検査――自転車にはいつでも乗れるか? そして乗っても構わないものか?
Ⅳ 忘れえぬ患者さん その二
ある男の死生観――医者になって一三年目のこと
五回の肝切除――医師になって二〇年目のこと
膵臓肉腫――医師になって二〇年目のこと
Ⅴ 恩師列伝
間藤方雄先生――「解剖学ゼミ」での人生勉強
宮田道夫先生――直属の上司だった「お寿司の先生」
加賀美尚先生――ラグビー部伝統の化身
吉良枝郎先生――エレガントで優しく、男気があって、チョッとお茶目な……
園尾博司先生――桃李不言、下自成蹊
高久史麿先生――東大第三内科のエース
Ⅵ 僻地医療に東奔西走
医師は労働者か奉仕者か
厚岸紀行
心の標語
別海物語
センチメンタル・ジャーニー
Blood Blut 血液――出血をめぐる追憶
1 禿
2 売血?
3 学生寮への献血依頼
4 朝までガーゼで押さえていた術中出血
5 オートバイの青年の交通外傷
6 難儀だった止血あれこれ
7 術中出血一万ミリリットル
謝辞
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