作品紹介

歴史ある児童文学の同人誌「牛の会」に長年所属し、物語を書きつづけてきた著者による書き下ろし作品。昭和26年、戦後間もない東京を舞台に、昭和の庶民の生活が、小学三年生の主人公すずの成長と引き取った愛犬デルを通して活写される。富山の薬売り、ケロチン、とうさまの「魚の目」手術とマーキュロ、校歌の作詞、犬とのボール遊び、運動会の応援歌、夏の花火と幽霊、ベーゴマ遊び、黄金バットの紙芝居、写真機、祭りの屋台のヒヨコ、そんな昭和の光景が万華鏡のように描かれると同時に、父親の酒癖の悪さや、金銭にまつわる夫婦の攻防がリアルに、時にちょっとユーモラスに披露される。かみ癖のあるデルの失踪と事故、辛い顛末のあとにやってくる結末は、明るい希望に包まれ、著者の、すべての生き物へ注がれる真の愛情が伝わってくるようだ。また、『十五少年漂流記』『ハイジ』『小公子』『フランダースの犬』など、すずが折々に読む「少年少女世界文学全集」は誰にとっても懐かしく、きっと文学少女・少年だった読者の琴線にふれることだろう。児童文学の枠を超えた、「大人と少年少女のための」文学の誕生である。

担当編集者より
懐かしき昭和の光景と家族の心象風景が、犬と少女の成長を通して鮮やかに蘇る。ベーゴマ遊び、黄金バットの紙芝居、写真機、祭りの屋台のヒヨコ、そんな昭和の光景が万華鏡のように描かれると同時に、父親の酒癖の悪さや、金銭にまつわる夫婦の攻防がリアルに、時にちょっとユーモラスに披露される。犬の失踪とかわいそうな最期の後に、希望の光が射してくる。児童文学の枠を超えた「大人と子供のための」犬と家族愛の物語。
目次
一、デルの来た日
二、来客
三、外科手術
四、校歌の作詞
五、虎屋の羊羹
六、お盆
七、ベーゴマ
八、写真機
九、記憶
十、逃亡
十一、大けが
十二、生と死
十三、デルの子
解説〈皿海達哉〉 
商品情報
書名(カナ) デルノイタイエ
ページ数 240ページ
判型・造本・装丁 四六判 並製カバー装
初版奥付日 2022年09月28日
ISBN 978-4-16-009031-6
Cコード 8093

著者

野口 すみ子

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、https://www.bunshun.co.jp/contact/ から各部門にお送りください。

感想を書く

 

映画・テレビ化情報一覧を見る