書名(カナ) | コウレイドライバーニマンジュウヒトツ |
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ページ数 | 160ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 上製 上製カバー装 |
初版奥付日 | 2023年04月28日 |
ISBN | 978-4-16-009046-0 |
Cコード | 0095 |
著者は糖尿病を専門とする内科医ですが、その知見・経験から、頻発する高齢ドライバーの事故に対し、ひとつの予防策を提案します。すなわち「運転前に饅頭をひとつ食べる」という策です。突飛な提案のように受け取る人もいるかもしれませんが、医学者たる著者には確信があります。それは、低血糖が高齢ドライバーの一時的な認知障害をもたらしている可能性がある、という確信です。著者は言います。現在、国では高齢ドライバーによる事故を防止するために、免許証の再交付時に認知症検査を義務付けているが、実際に事故を引き起こした高齢者は、かならずしもすべてが認知症患者ではないのではないか、多くは一時的な認知機能障害だったのではないか。実は高齢者は、肝臓等の老化から肝機能が低下し低血糖を起こしやすく、そうして低血糖を引き起こすと、一時的な失見当識の状態になる。この状態で車の運転をしていると、とっさの判断は不可能で、重大事故を引き起こしやすい。これを防ぐには、小腹がすきそうだと思ったら、事前に饅頭をひとつ食べればよい。饅頭ひとつで低血糖はたちどころに改善できるのだ、と。著者はこの確信から、各種のデータを収集・研究するだけでなく、自らを治験者とする実験も行ない、さまざまな機会をとらえて広報活動も行なってきました。しかし、個人の努力には限界があります。この策の正しさを科学的に立証するには、より多くのデータが必要です。それには、国が本気になって疫学的調査をしてくれなければなりません。著者が本書を著したのは、そのために一石を投じたい、という思いからなのです。本書の後半は、著者自身が高齢者の生きがい・健康法を追究した足跡ですが、あくまで主眼は前半の低血糖問題。論議を引き起こすこと必至の一冊です。
まえがき
Ⅰ 高齢ドライバーの重大自動車事故防止に饅頭ひとつ
1 事の始まり
高齢ドライバーの重大自動車事故と低血糖
事故防止策の周知
2 実験
高齢者は低血糖になりやすいか、そのときの認知機能は?
自分を被験者にしての低血糖誘発試験
実験結果
身体の巧妙な仕組み
高齢者は低血糖になり得る
高齢ドライバーの重大自動車事故は空腹時に多発?
結果の公表も救済策展開に結びつかず
3 最後のご奉公
救済策展開の踏ん切り
大願成就と気骨
周知は効率的に
低血糖と重大自動車事故の因果関係
自動車教習所指導員への講演
県下一円の周知のための運動
成果の上がることを願って
Ⅱ 八十路に立ちて返り見すれば
第二の職場
良い町医者に
ボランティア活動も
学ぶ楽しさ
世紀を超えた傑作を学ぶ
為せば成る
Ⅲ 退職後の人生
1 虚ろな日々
退職者の雑用
暇を持て余す毎日
2 退職者にとっての反面教師的症例
引退が引き起こした二つの症例
論文にまとめておこう
目標のない日常から挑戦の日々へ
3 英検への挑戦
まず二級から
準一級も何とか
大学受験を思い出して頑張る
一級の受験者
早とちりの失敗
再受験時の戦友たち
高齢者に重荷の速読即解
脳トレにはなった英検
Ⅳ 知るよろこび
内なるよろこび
何がよろこびの感情を起こさせるのか
Ⅴ 米寿の身体には手入れが必要
1 足関節の故障
歩行時の足関節痛
変形性足関節症への手当
2 消毒剤に対するアレルギー?
プールでの泳ぎを知らない世代
泳ぎ終えるとくしゃみ
体の冷却がくしゃみに
温水マッサージプールの効用
ちょっとした手当の効果
3 無意識の油断
高血圧と食塩摂取量
4 人生が変わる
高齢者の視力低下
白内障が原因
白内障の手術
人生が変わるとはこのことか
Ⅵ 花より団子
1 家庭菜園の出来映え
コンテナ栽培で規模拡充
自家菜園ならではの料理
見映え良くとも実がないことがある
2 食料安全保障は大丈夫?
3 桃栗三年柿八年
あとがき
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