担当編集者より

個性派脚本家奈三子の叔母、紅子は、かつて名女優だった。それがある日、突然に引退。全てのつきあいを絶ち、奈三子まで捨てた。奈三子にとっては、封印してきた記憶だ。だが、三十年近くの歳月が経った今、彼女は叔母の引退の秘密を探りはじめる。そして、徐々に浮かび上がってくる紅子の苦悩と謎……。実力派脚本家筒井ともみさんが、自らの過去を顧みながら、イマジネーション溢れる筆致によって究極の女優像を探る書下し作品です。（ＴＭ）