書名(カナ) | インテル セカイデモットモジュウヨウナカイシャノサンギョウシ |
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ページ数 | 584ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 小口折 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2015年09月10日 |
ISBN | 978-4-16-390331-6 |
Cコード | 0098 |
「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」つまり「コンピュータの処理能力は指数関数的に向上していく」、1965年、インテルの創業者であるゴードン・ムーア博士が発表した論文に書かれていた半導体の能力に関する洞察は、「ムーアの法則」として、今日にいたるまで、情報産業にかかわるものが、逃れらない法則となった。
その法則を生み出した「世界で最も重要な会社「インテル」の産業史である。
ムーアの法則」の誕生のみならず、本書を読む読者が切実に感じるのは、今自分が努めている会社、業界のすべてに通ずる共通のテーマが、鮮烈なエピソードをもって書かれている点だ。
すなわち、「技術力か営業力か宣伝力か」という問題。
あるいは「才能か努力か」
あるいは、「継承か革新か」
あるいは「模倣か創造か」
本書の中には、コンピュータの心臓部であるマイクロプロセッサ(CPU)を世界で初めインテルとともに開発した日本の電卓メーカーが、最後の最後で社長の判断から契約をキャンセル、結果的には、CPUの知的財産権を逃すという「史上最悪の経営判断」をしてしまう話や、あるいは、モトローラに劣るチップをインテルが営業力でもってシェアを逆転する様など、私たちの今日のビジネスの日々の判断に通じる血わき肉おどるエピソードが満載されている。
著者はアメリカの新聞で初めてシリコンバレー担当をおいたサンノゼマーキュリーニュースで最初のシリコン・バレー担当となった記者。1970年代から今日まで、その有為転変を追い続けてきた。
目次
序章 地球上のすべての組織の原点
第一部 初めに化学者がいた(一九五七──一九六八)
1 八人の裏切り者
2 最高の会社になりそこねた会社
3 二人の天才科学者と一人の天才経営者
第二部 才能か努力か (一九六八──一九七一)
4 「採用者第一号」アンディ・グローブ
5 その地は、半導体(シリコン)の谷(バレー)と名付けられた
6 牧師の息子 ノイスその1
7 トランジスタとの運命的な出会い ノイスその2
8 神様ショックレーからの誘い ノイスその3
9 「ムーアの法則」の誕生 ムーアその1
10 成果こそ、すべて
11 会議には必ず「結果」が必要だ
12 目標は独り勝ち
第三部 創造か模倣か(一九七二──一九八七年)
13 一枚のチップがコンピュータになる
14 マイクロプロセッサの誕生
15 誰がマイクロプロセッサを発明したのか
16 直感の経営
17 二〇世紀最悪の経営判断
18 市場を教育する
第四部 技術か営業か (一九八八──一九九九年)
19 技術力の差を営業力で引き受ける
20 最初に市場参入するものは負ける
21 株式公開
22 デジタル時計という苦い教訓
23 インテルの歴史から消された技術者ファジン
24 劣勢な時ほど賭けに出る
25 ムーアの法則を飛び越えようとした者の末路
26 日本という恐るべきライバル0
27 自らの過ちから学ぶ者だけが成功する
28 ホロコーストの生き残り グローブその1
29 共産主義からの亡命 グローブその2
30 自由の地、アメリカへ グローブその3
31 グローブはノイスを憎む
32 ベストセラー作家グローブ
33 不況下に完全雇用を貫く
34 もはや大企業か
35 ライセンス生産の罠
36 歩留り率を改善せよ
37 「ムーアの法則」は業界の行動原理となった
38 日米半導体戦争に勝つ
39 コア事業から撤退する決断
40 グローブ、創業者の二人を越える
41 スティーブ・ジョブズを育てる
42 ノイスの変節
43 フラッシュメモリというドル箱
44 「シリコンバレーの主」ノイスの死
45 ノイスの死の波紋
第五部 独占か開放か(二〇〇〇──二〇一四年)
46 世代交代
47 「インテル・インサイド」の内幕
48 急激な変化を管理する能力
49 ペンティアム
50 史上最悪のバグ
51 知的財産権をめぐる死闘
52 独占禁止法という敵
53 タイム誌の表紙に
54 天井知らずの株価
第六部 改革か継承か
55 カリスマ経営者を継ぐ苦悩
エピローグ 愛しているから憎んだのか
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