| 書名(かな) | はんこつだましい ごとうわたるみすたーえふえむとよばれたおとこ |
|---|---|
| ページ数 | 256ページ |
| 判型・造本・装丁 | 四六判 軽装 並製カバー装 |
| 初版奥付日 | 2025年10月30日 |
| ISBN | 978-4-16-392033-7 |
| Cコード | 0095 |
1970年代初頭、日本の新しいメディア「FM」ラジオ放送の誕生に尽力し、人気長寿番組「ジェットストリーム」をはじめ、数々の魅力的なコンテンツでラジオ黄金時代を築いて「ミスターFM」と呼ばれた後藤亘の反骨の半生を綴る評伝。社長就任後、低迷していたFM東京をFM局のトップに導き、後に東京メトロポリタンテレビの社長として破綻の危機から経営を見事に安定させるなど、放送界のカリスマと評される大胆で柔軟な発想での経営手腕に迫る。
目次
第一章 玉音放送
空に憧れていた少年\母の涙の訴え\少年航空兵志願を断念\会津若松駅前で聞いた玉音放送
第二章 北への逃避行
軍歌が電波上から消えた\敗戦とともに消え失せた夢\夜行列車での家出\津軽海峡を吹き抜ける冷
たい風\大志を抱いてみたものの\北の大地で人の情けを学ぶ\東北大を目指して
第三章 杜の都でのバンカラな日々
旧制高校の気質が残る寮生活\麻雀と売血\名画座に入り浸る
第四章 いざ、花の東京へ
譲れなかった東京への思い\興味の持てない仕事はできない\東和映画は憧れの職場\新橋駅前でのプロレス街頭中継\ドスを突き立てた映画館主\拙い英語が身を助く\有楽町で逢いましょう\こんなに楽しい仕事はない\日本映画界のピークに結婚
第五章 松前重義との邂逅
熊のように眼光の鋭い男\
初めて耳にした「FM」という言葉\科学技術を平和の礎に\軍部に協力したラジオ\理不尽な懲罰召集の記録『二等兵記』\松前の不屈の精神\「人の歓びのために」ラジオを再生させたい
第六章 新天地、FM東海
政治の風が吹き荒れるなかで\実用化試験開始\FM受信機製造のために奔走\「FM喫茶」と「FM理髪店」\キーワードは「音楽と教養」\東京オリンピックの狂騒の先へ
第七章 大賀典雄からの挑発
「は? SM?」\反骨魂に火をつけたひと言\大賀の才能に惚れ込んだソニー創業者\大賀と後藤の共通点
第八章 ジェットストリーム
FMを象徴する看板番組がほしい\これからは「空の旅」だ\スポンサーは日本航空\「ミュージック・ティル・ドーン」の衝撃\機長は城達也\静寂と饒舌\収録は真剣勝負
第九章 FM東海、存続の危機
突然の免許更新拒否通告\郵政省の思惑\「放送を続けろ!」\官僚は世の機微に疎い\電波法違反で
の告発\「免許取消し」に待った\人の情に救われる
第十章 「FM東京」の誕生
「祝開局!」のアドバルーン\番組は鉄道便で配送\経済界がFMに寄せる期待\渡辺貞夫の「マイ・ディア・ライフ」\ラジオから生まれたスーパースター\団塊の世代が求めた新しい潮流\記憶の中の部屋に貼られた壁紙
第十一章 人を発掘して育てる
成績優秀ではなく頭脳明晰\「ひょっとしたら化けるかもしれない」\初めて採用された新卒アナウンサー\新聞社からジョーズ襲来\三島由紀夫の肉声\ラジオCMもひとつの番組\個人の能力を自由に発揮させる
第十二章 多局化時代の全国ネットワーク
「エアチェック」の流行\全国FM放送協議会(JFN)の発足\FM局が「文化を担う」
第十三章 皇居前の新社屋
手ごわい総務部長\本社をどこに移転するのか?\泣く子も黙る超一等地\「自前のビルを持つべきだ」\半蔵門に新社屋竣工
第十四章 ラジオ新時代の幕開け
FM東京の社長に就任\ネットワーク化のメリット\画期的な「水道の蛇口」方式\「見えるラジオ」\最先端の技術で社会に貢献\FMでカーナビの誤差を解消
第十五章 強力なライバルの出現
宇宙からFM電波を発射する\放送番組審議会\J-WAVE開局の衝撃\「二度とこんなところには来ない!」\FM東京に足りなかったもの
第十六章 渋谷スペイン坂スタジオの誕生
ライバルに立ち向かうための改革\時代が求めるポップス\渋谷を若者文化の発信地に\これまでのラジオの概念を超える\SMAPの登場に三万人の観客
第十七章 松前への惜別とラジオの再生
「もう私も長くないな」\思想を培え\松前から学んだこと\通信と放送の融合「FMケータイ」\
ラジオを再生させる
第十八章 ラジオからテレビの世界へ
突然の社長就任オファー\FM東京と東京MXテレビの社長を兼務\士気を高めるためのコンパクト化\「アニメなら勝てます!」\「5時に夢中!」でタブーに挑む\「地デジ化」に見出した勝機
第十九章 「ゆめらいおん」とテレビの未来
歴史と文化が経済を動かす\身をもって得た言葉の説得力\村上隆という劇薬\必要とされている人間\快進撃でも満足はしない\たった一人の”あなた”\今こそまた「人の歓びのために」
エピローグ いつか雲の彼方で
あとがき
追悼詞 後藤亘
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