| 書名(かな) | ぜんりょうなういるす よにもすうきなふぁーじいりょうのれきし |
|---|---|
| ページ数 | 376ページ |
| 判型・造本・装丁 | 四六判 軽装 並製カバー装 |
| 初版奥付日 | 2025年11月30日 |
| ISBN | 978-4-16-392046-7 |
| Cコード | 0098 |
「ウイルス」と聞いてたいていの人が連想するのは「悪い」ことだろう。
人間に感染して病気を引き起こし、障害を残したり、命を失わせたりする。コロナウイルス、インフルエンザ・ウイルス、エボラ・ウイルスらは最悪の嫌われ者だ。
だが、地球には人類からすれば「善良な」ウイルスもいることをご存知だろうか。
ワクチンに使われているウイルスや、がんの腫瘍細胞だけに感染して死滅させるウイルスといったものがいる。
そして本書の主人公が、「ファージ」ことバクテリオファージだ。
彼らは細菌(バクテリア)に感染して殺すウイルスである。
細菌とウイルスの違いがよくわからないという方もいるだろう。ひと言でいえば、細菌は細胞からできている「生物」だが、ウイルスは最も簡単な場合、DNAをカプセルで包んだだけの存在で、生物とは言い切れない。
病原菌を殺してくれるウイルスがいるなら、医療に役立てられないか、と考えるのは自然なこと。20世紀初頭、ファージの発見者デレーユはこれで赤痢を治療できると示して、ファージ療法は一躍大流行したのだ。
ならばなぜ、現代ではファージ医療をほとんど誰も受けられないのか? 微妙な配合が必要なファージより簡単な治療薬として抗生物質が発見されたことが革命を起こし、西欧世界ではファージは忘れ去られたのである。
しかし、ファージ研究がわずかに続けられている場所があった。それは鉄のカーテンの向こう側、共産圏ジョージアだった……。
100年近くにわたり営々と忘れられた研究をつづけていた古めかしい研究所に、著者は足を踏み入れる!
数奇な運命をたどったファージ研究の歴史。そして今、次々現れる抗生物質耐性菌や不可解な難病への切り札として再び脚光を浴びるファージ療法の最前線、さらに科学におけるファージの絶大な貢献度まで……。
人類が避けては通れない病との戦いに不可欠な必須の知識。
そして何より、歴史に埋もれた異端の科学者たちの数奇な物語が、読み物としても抜群に面白い。
「善良なウイルス」の全貌を明かす決定版の傑作ポピュラー・サイエンス!
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