作品紹介

なにが文明開化だYO! 金持ちにNO!
明治二十年代に日本中で大ブームを巻き起こしたラップの元祖とでもいうべき歌「オッペケペー節」の謎を追って、近代がはじまった日本へタイムスリップ!

明治二四、五年ごろ、日本中の人々が口ずさんでいた「オッペケペー節」。
七五調の歌詞の途中や末尾に「オッペケペッポー、ペッポーポー」という囃子ことばが入るスタイルの歌だ。
ひょうきんな言葉の響きとは裏腹に、その歌詞には「心に自由の種を蒔け」「洋語をならふて開化ぶり」など、政治的なメッセージや、鋭い批判、風刺があふれていた。
これが文明開化の荒波に翻弄されていた当時の民衆の心をつかむ。

流行の発信源は、政治活動家から落語家に転身し、のちに演劇人として名をなした川上音二郎。テレビやラジオはおろか、レコードもない時代に、全国津々浦々まで広まり、明治期最大の流行歌の一つとなった。

この歌が流行した明治二〇年代は、あらゆる面で日本に近代が訪れていた。
大日本帝国憲法が公布されて、最初の総選挙が実施され、最初の議会が開かれた。議会政治の幕開けである。
東海道線の新橋-神戸間が開通、幹線網も拡大し、人々の移動量が飛躍的に増大しはじめるなど、社会的インフラが発展した時期だった。
メディアの転換期でもあった。新聞雑誌といった新しい活字メディアが生活に浸透しはじめ、蓄音機という新たな音声メディアが登場した。
二葉亭四迷の言文一致体小説『浮雲』が出版されたのも明治二〇年である。

そんな時代に広まり、いまとなっては忘れ去られてしまった「オッペケペー節」。
誰が作ったのか、誰が歌い始めたのかも分からない、この歌を通して、近代化が始まった時代の空気に迫る。

担当編集者より
いまとなっては完全に忘れ去られた「オッペケペー節」ですが、じつはYouTube聴くことができるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=8TuMWzJd6RM

ネット時代の今は百年以上も前の歌まで聴けますが、オッペケペー節のはやった明治二十年代はレコードもなく、ようやく蓄音機が出始めた時代。
そんなときに全国ではやったのですから、いかに人々の心をとらえたかがわかるはず。

グローバル化にともない、社会の格差が開きつつある現代とも通じる、明治の民衆の思いを感じてみてください。
商品情報
書名(カナ) オッペケペーブシトメイジ
ページ数 224ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2018年01月20日
ISBN 978-4-16-661155-3
Cコード 0295

著者

永嶺 重敏

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、http://www.bunshun.co.jp/feedback/ から各部門にお送りください。

感想を書く
 

メディア関係者、図書館の皆様へ

ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

http://www.bunshun.co.jp/feedback/

映画・テレビ化情報一覧を見る