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のんびりと奈良見物に向かう鬼平をつけ狙う怪しい影。屈強な刺客たちの兇剣に、鬼平は深い傷を負う。はたして活路は見出せるのか
旅をかさね、人と世界を透徹した目で見すえ、しなやかな文体で描きつづける池澤夏樹。一九八九年以後の秀作を集めた待望の短篇集
いつも途方に暮れていた。就職、恋愛、小説……。うまくいかないのは何故? 懸命に未知の扉をおす「ぼく」たち。体験的模索小説
わが子を抱いてマンハッタンにたくましく生きる女性が、母になってはじめて知る愛と苦悩。シングル・マザーの現実が熱く胸に迫る
終戦の年からブラジルの日本人社会では日本の勝ちを信じるカチ組と敗けを認めるマケ組とが対立し、テロで二十三人の命が失われた
旬の素材の味わいからすべてが始まる。四季のめぐりに心を寄せ、出合った風景や人を思い、食を通じて人生の機微を語りかける一冊
感動の『車椅子からウィンク』の筆者がタブー視されていた障害者の恋愛と性に挑戦。ハンディがあってもセックスしたい、切実な叫び。
佐賀の乱の首謀者として晒し首の刑となった江藤新平が下野した原因は征韓論に破れたからだけでなく、司法と行政の対立にもあった
様々な場所へ行き、人と会うけれど、帰るのは「一人の繭」の安らぎの中。一人暮しの作法、男と女の本音を綴った最新エッセイ集
目白サイドからみた「創政会」クーデターの内幕、角サンが最後に放った意味深長な言葉など秘話満載。権勢を極めた軍団の最終戦争
世界の情報機関はかつての軍事機密から外国企業の情報収集に躍起となっている。激化する産業スパイ活動の実態を抉る本格リポート
明治生まれによって昭和は作られた。三木武吉、宮島清次郎、小泉信三、大原總一郎、石坂泰三、前川春雄、本田宗一郎等16名の列伝
(上を参照)
黒船来 天誅組罷り通る 最後の攘夷党
義理という建前ゆえに保たれるその家の暮し。貰い子を迎えた者たちの葛藤と女子の哀れを描く表題作と処女作「村芝居」など八篇
徳川幕府なんて糞くらえ。面白おかしく生きてやる。暴れ者を率いて町奉行の鼻をへし折るその名も大風嵐之助。痛快で数奇な物語!
ヤクザにすごまれ、税務署と対決し、偏見を憂い、それでもメゲない女性パチンコ経営者の奮闘記。パチンコは現代日本の縮図である
死ぬ間際にたった一曲聴けるなら何を選ぶ? 何日君再来から讃美歌まで、懐かしい名曲の数々とその思い出を綴った珠玉のエッセイ集
本田宗一郎なき後、顕著になってきた官僚主義や人事抗争がホンダを蝕み始めた。その実態を初めて解明。第27回大宅壮一賞受賞作
せちがらい世の中で、人間への信頼を結ぶ宝石のようなエピソード。時事的な問題にふれての、具体的な提言、助言、苦言。時の滴りを発酵させた随想録。あなたの時の深さを計って下さい。
世俗の枠をはみだしてしまった女の生き方とその数奇な運命を独特の視点で描く時代伝奇小説集。「遊女松笠」「四谷怪談 お岩」「妲己の於百」「高橋お伝」「明治一代女」他四篇収録。(藤田昌司)
激動の時代を、愛に仕事に逞しく生きた女たちを、本人あるいは身近な人々が綴る感動の記録。美智子さまの時代から樺美智子、李香蘭、黒柳徹子、俵万智、吉本ばななまで四十八名登場。
さりげなく過ごそうと思っていたのにそういかなかった三十歳の誕生日、見合話を断った後の複雑な気持…三十路を迎えて揺れ動きつつ安定していく女心のユーモラスな告白。(有吉玉青)
足利銀行二億円詐取事件の女子行員、嬰児殺しの若い母親、冤罪の父を支え続けた加藤キクヨさんなど六つの事件の女性を追い、様々な人生模様をえぐり出した迫真のルポルタージュ。
ガンで入院中の老女を見舞う息子夫婦と孫の正体は? 看護婦・戸田鮎子シリーズ。「レンタル家族殺人事件」「ポールポジション」「代理母殺人事件」「冷凍された殺意」収録。(片岡秀太郎)
マフィアの取り立て屋にして無類の映画好き、口八丁手八丁の青年カラブレーゼは、ハリウッドに乗りこんで何を得たか? LAの雰囲気の中で野望とその結末をスカッと描く娯楽小説。
銀行の女性重役が自行のコンピュータ・システムに思わぬ欠陥があることを発見した。悪戯心と上司の鼻もあかそうと、盗みを企むが……。「8(エイト)」の著者ならではの小説の醍醐味。
「両親の離婚をぼくの力でやめさせてみせる」、十歳の少年は“悪魔”と呼ばれる辣腕弁護士に自分の弁護を依頼したのだがとんだ大騒動に発展してしまい……。現代風俗風刺コメディ。
酒に溺れ、家を捨て、行乞流転の日々を一行の句に託した種田山頭火。彼を、果てしのない旅に追いたてたものは、いったい何だったのか。――その生涯を日記と俳句を通してたどる好著。
懐かしくも、どこかやましく気恥ずかしい、しかし輝きに満ちていた六〇年代末に育まれた著者が、青春、恋、文学と全力で駆けぬけた二十年間を率直に語る第一エッセイ集。(村松友視)
古今東西、食にまつわる蘊蓄を傾け、返す包丁で実際のレシピを紹介する一冊。吉行淳之介・梅宮辰夫両氏とのトークも楽しい、読んで良し作って良しの名グルメ本をどうぞ。(加賀乙彦)
男はなぜセーラー服に欲情するのか、看護婦のエッチサービスは解禁すべきか等々、誰もが悩んだ永遠のテーマを真面目に考察。男の本音に知的根拠を与えてくれる痛快なエッセイ集!
メディアが人類を操作したらどうなる? 売れないマンガ家の妄想世界「ジレッタ」がバーチャル・リアリティをつくり出し世界を破滅へと導く表題作のほか、佳篇五作を収録。(筒井康隆)
将軍継嗣問題のしこりから、八代将軍吉宗と尾張中納言宗春はことごとく対立した。綱紀粛正し倹約を説く吉宗を嘲笑うように遊興にふける宗春。その豪胆奔放の果ては?(磯貝勝太郎)
温泉旅館の婿になるためブルートレイン出雲3号で皆生温泉へ向かった小田刑事が死体で発見された。様々な恋の果てに起こった殺人事件を十津川が解明する傑作四篇を収録。(山村正夫)
セロー版「ヰタ・セクスアリス」。初体験から妻・愛人との二重生活まで、おかしくて哀しい人生の〇秘模様を描いた、自伝的傑作長篇
中国特派員を八年間務めたドイツ人夫妻が書いた辛口ルポ。共産党幹部の腐敗ぶり、たかり体質を暴いて「バラ色」論に警鐘を鳴らす
たった一回きりの人生ならば、思いのままに働き、愛し、信じたい。心の赴くまま綴られたかけがえのない自分になるためのヒント集
平和論はじめ戦後イデオロギーに勇気ある否!をつきつけた福田恆存の入門篇。小林秀雄と双璧をなす、偉大な批評家の言葉の宝箱
黒木香、村西とおる、太地喜和子、尾上縫、細川護煕を中心に有名無名、写真週刊誌をいろどった人々を追いバブル時代の日本を描く