作品
核燃料輸送船「曙丸」の航海の日々を輸送班長・加納知世の視点から描く。人生への信念とユーモアに富んだ曾野流海洋文学の誕生
古代都市アレキサンドリアの物語と現代の私達の日常風景とを結び、家族、友、愛、死など様々なテーマを描きだす二十四篇の贈り物
大学を出たものの就職先がなく、歌声喫茶で働きだした暁子は、都会の片隅に息づく名もない“ぜったい多数”の若者たちとの交流の中で、人生に目覚めていく。傑作青春小説!
へそくり寄付します……。25年前、小さな善意を生かすために作った海外邦人宣教者活動援助後援会の、暖かく感動的な活動報告!
死線の果てに南海の孤島で託された“危険な秘薬”は、テニス・コートで出会った人間たちに何を垣間見せたのか。絶妙のストーリーテリングで日常生活の暗部を抉る長篇小説。(杉山正樹)
漱石が「吾輩は猫である」を発表してから八十年目、昭和の女流作家・阿野文子家の飼猫が“ボクは猫よ”と軽やかに登場。こちらもおめず臆せず痛烈痛快に人間社会を風刺。(裏見成平)
戒律の民主化は修道女たちの魂に荒廃をもたらした。修道院は優雅で懶惰な女達の下宿屋となり、聖堂から神のまなざしが消えた。禁域の変容と精神の不在を問う衝撃の長篇。(渡部昇一)
(上を参照)
人間は固有な傷を持っている。それは社会や家庭や個人から受けるものだが、時代に共通した傷もあれば、青春という一時期に普遍的なそれもある。傷の中に人生の希望を見出す小説。
母は娘が自分の娘以外のものになることを心から望んではいない。母性愛の底に秘められたエゴイズムを、一人娘の結婚という問題を通して描き、親子・夫婦の愛情を問う。(鈴木秀子)
中流家庭の平凡な日常を生きてきた幹子は、人生の夕暮れにさしかかったときなにを感じたか。恵まれた結婚、悔いのない人生とは? 女の幸福について考えさせる小説。(外尾登志美)
神とはなにか。信仰とはいかなるものか。神は奇蹟でその問いに答えるという。では現代に奇蹟は起り得るか。最も今日的な生と死を遂げたコルベ神父の生涯に、人と神との接点を探る。
結婚しないで子供だけ生みたいという長女。うそと誠のあいだで女の綱渡りをする長男。自然のままに生きる次女。三者三様に生きてゆくきょうだいの姿を通して、青春の像を描き出す。
底なしの深淵のようなインド社会のなかでもがく日本人たち。実父を訪ねてインドに行った雪子たちが、その風土の違いを超えて、人間の存在を確かめるまでの完結篇
母を捨て去った父をたずねてインドに渡った雪子の目にふれたその風土が、彼女と彼女のまわりの人間たちをどう変えたか。そこに愛と苦悩の姿を見つめる長篇ロマン
大学受験の息子を持つ母、同棲する高校生の娘、潔癖性の息子、そして亭主関白の父――。一見幸福そうに見える家庭が、またたく間に崩れ落ちてゆく過程を描いた問題の長篇。(鶴羽伸子)
過去に振り捨てた男の愛の伏流をひしひしと感じる人妻の心理を描いた表題作「愛」のほか、「地球のかぐわしい部分」「颯颯」「隠された顔」「永遠の牧歌」「只見川」など全八篇を収録。
裕福な家庭に暮らし、華やかに振舞っている男女の現代風俗の底に、戦後の混乱期の徒花が影をおとしている。傷ついた人間と傷のない人間との交錯に人生をみる長篇小説。(鶴羽伸子)
二十四歳、数ある縁談を断りつづけている社長令嬢ナナは、運転手に恋をし、軽井沢に駈落ちする。ところで、ナナを恋している男はもう一人いた……。戦後世代の青春小説。(解説・鶴羽伸子)
※未刊行の書籍は、刊行予定が変更になる場合があります。