作品
戦時下に少女期を過ごした著者が戦争で歪められた日常生活を見つめつつ、愛する人を政治のために失った女性たちを世界各地に訪う
手は女のもうひとつの貌である。女の暮らしのほとんどは手仕事。女が生きるとは確かな手ざわりの積みかさねでもある。手のなかで刻まれる日々の暦こそが、女の歴史を織りなす。
孤独や破れた愛情などで死んでたまるか。失恋と人間不信のなか、狂いもせず、死にもせず、修羅場を生きぬいた著者の告白的恋愛論
生きている時間が長くなるにつれ、別れは深い爪跡のように心に刻まれる。中野重治、向田邦子、隣家の少年――ひたむきに生きた死者たちの歩みよる気配を愛惜をもって綴る。
戦いの直前に結婚式をあげた日米双方のパイロット。飛行機を失った戦場で米軍機の猛爆にさらされた二隻の重巡。十五歳の四人の少年水兵の命をのみこみ、海は眠った。(高木俊朗)
内縁のまま子どもを生み、戦死した夫の親にその子の認知さえ拒まれて苦難の人生を歩いた女性。海上漂流の米軍搭乗員に加えられたおそるべき行為。戦場の残虐を語る衝撃の新事実。
愛する芸者の妊娠を知らずに結婚し、敵空母に突っ込んだ友永大尉。勝利への道を拓いた米第八雷撃機中隊のウォルドロン隊長。燃える空母の炎の中に消えた柳本艦長らの夫婦愛。
一八七八年の近衛兵による反乱「竹橋事件」は、その後の日本の運命を左右するほどの重大な事件だった。国家によって圧殺され、歴史の闇に葬り去られた青年たちを掘り起す労作。
独力で三児を育てた後、情死をとげた女性アナ。擬装結婚の愛と真実。日中の懸橋となった郭をとみと陶みさを。四角関係のはてに起きた猟奇事件など、昭和史を支えた女たちの軌跡。
戦死者を数値化して戦争の実像に迫る初めての試み。コンピューターが解き明かす海戦の謎、そして感動を呼ぶ戦死者とその家族の声
反満抗日のたたかい、戦士たちをぬきにして、日本人の満洲体験はない。楊靖宇という若きゲリラの領袖の跡をたどりながら日本人の満洲への思いを昭和の歴史に位置づける哀切なる旅。
東郷青児の妻たち、岡田嘉子と樺太国境をソ連に逃げた杉本良吉の妻、性研究「相対会」創始者の妻・小倉ミチヨなど、昭和史の半分を支えた女たちの愛憎の人生。文藝春秋読者賞受賞。
歴史の表層から忘れ去られた人びとへの愛を書き続ける著者が、旧満州での幼少時代、恋愛、肉親との訣れ、心臓の宿痾との闘いなど、ひたむきな自らの生の歴史を綴ったエッセイ集。
愛し合ったはずの夫婦がなぜ別れるのか。家庭裁判所の門をくぐった十五組の夫婦の歴史をたどりながら、改めて結婚という不可思議な人間関係をみつめなおさせる異色のドキュメント。
夫と愛人にもう一人の愛人を殺された人妻、郭沫若・陶晶孫に嫁して日中の懸け橋となった姉妹など、昭和史をささえた女たちの軌跡
旧満洲での思い出、恋愛、肉親との訣れ、業病とのたたかいなど、自らのひたむきな生の歴史を情感こめて綴った著者初のエッセイ集
夫との別れ、情熱を賭けた仕事、激しい恋。女なら誰しも通らざるを得ない人生の試練を健気に生きぬいてきた十一人の有名女性たち。それぞれの人生の暦を描いた女性のための十一章。
東郷青児の“妻”たち、杉本良吉の妻杉山智恵子、性研究創始者の妻小倉ミチヨら、昭和史の影を生きた女たちの愛憎。文春読者賞受賞
愛しあった夫婦が家裁の門をくぐるとき、現代の愛のかたちが浮き彫りにされる。種々のケースを通じて迫る、ドキュメント“離婚”
女ゆえの悲しみと呪われた十字架を背負って健気に生きる有名女性の旅。それぞれの個性的人生の暦を描いて共感を呼ぶ異色の十一章
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