作品
第一期全集収録の短篇にひきつづいて、六九年から七三年までの短篇、「証明」「火神被殺」「巨人の磯」「水の肌」「礼遇の資格」など十八篇を収録。増頁で詳細な年譜付き
新製品の開発に命運を賭ける食品業界の内幕を描く「風紋」。財力も後盾もない地方出身の男性ヘアデザイナーが野望に燃えて女を利用する「夜光の階段」の二長篇。
ついに援軍・犬神宗族が来た。秀観一味との妖気をはらんだ対決をよそに、地底に閉じこめられた恵之助たちには刻々と断末魔が近づきつつあった!「西海談綺」第三部。解説・神吉拓郎
罠と知りながら、女をさらった山伏集団を追って山中深く潜入した男に危機が迫った!敵は誰か?味方は誰か?多彩な登場人物がからみあい、謎はますます深まる。「西海談綺」第二部。
密通を知って上司を斬り捨て、妻を廃坑の闇の底に突き落して逐電した男がたどる数奇な運命。西国に赴任した彼を待ち受ける試練。胸おどる大伝奇ロマン「西海談綺」の第一部!
サラリーマンに衝撃を与えた安宅産業の倒産を新たな視角で小説化した「空の城」と、イラン革命の真相を追って国際政治の裏面に挑戦した「白と黒の革命」の二長篇
一九五二年四月、日航機もく星号が伊豆大島に墜落した。「日本の黒い霧」でその謎に挑んだ著者が、新たな取材によって、小説として多角的に現代を表現した野心長篇「風の息」
三カラットのダイヤの指輪は次々と持主を変えて、九州、朝鮮、大阪、東京と華麗な流転を重ねる。かかわりあう人たちの運命の饗宴。時代の推移と欲望のドラマを描く十二の連作。
選挙資金持逃げと小豆相場、神社の占いとモーテル—新旧の風俗をからませたサスペンス「告訴せず」。シャッーターチャンスの謎を追う本格推理「十万分の一の偶然」
銀行員の地位を利用して大金を横領したOLが銀座のママとなり、さらに大きな夢に挑む「黒革の手帳」と、女と男のさまざまな絡みあいを描く連作「隠花の飾り」
サラリーマン社会で発生した殺人事件、OLの生態をみごとに捉えた「ガラスの城」。謎の新人女流画家をめぐるサスペンス「天才画の女」。現代風俗を描く「馬を売る女」
大和の飛鳥路に古代人の残した石造物の謎を追う若い研究者高須通子は、灼熱のイランを訪ねて日本の面影を見、歴史の神秘を思う。異色長篇「火の路」一挙収録。解説・伊藤義教
ロッキード事件を予測したような内容の「棲息分布」は、時代の暗黒と混沌をみごとに描き出し、砂糖汚職にからむ、「中央流沙」は課長補佐の悲劇を浮き彫りにする。
立身出世美談と経営哲学の独自性で有名な経営者の隠し子をめぐって、億万長者と古美術商のからみ合い、さらに業者と鑑定家の癒着などミステリアスなタッチの長篇「雑草群落」
大企業サラリーマンに衝撃を与えた安宅産業の崩壊。石油部門への進出を焦って国際商戦に翻弄され、倒産した総合商社を題材に、徹底した現地取材と卓抜な洞察力で描く経済小説。
渡された場面/渦
召集令状のからくりを知った男の戦後の復讐を描く「遠い接近」。昭和初期の小倉を舞台に文学青年達をめぐる殺人「表象詩人」ほか「山の骨」「生けるパスカル」「高台の家」
芥川賞は遂に社会的な存在となった。五味、松本、安岡、吉行、小島、庄野、遠藤、石原、近藤、菊村、開高、大江と絢爛たる偉容を誇る現代日本文学の主流派作家群
在米のイラン商人の言葉をヒントに、イラン革命の真相を追ってテヘランに乗りこんだ男に危機が迫る。パーレビの白い革命とホメイニの黒い革命を描くノンフィクション・ノベル。
競馬情報をサイドビジネスにするOLが高速道路の非常駐車帯で殺された。完全犯罪は成功したかに見えたが……。「馬を売る女」「式場の微笑」「駆ける男」「山峡の湯村」収録。(大手眞年)
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