作品
「昭和」は金融恐慌で幕を開けた。大陸の緊迫に山東出兵で応える一方、国内では普通選挙を断行し、確実に民主化の道を歩んで行く
戦後教育では「戦前は真っ暗な時代だった」と教えている。果してそうか? 切れ味抜群、“夏彦節”の醍醐味が横溢するエッセイ十六篇
俳優として、エッセイストとして名高い筆者が、大正末から昭和の六十年、東京の変遷と、出会った美しき人たちとをつづる自伝的随筆
侯爵松方正義と生糸貿易のパイオニア新井領一郎――二人の祖父の生涯を跡づけながら、日米交流のルーツを考察する興味深い家系史
幼時からエグゾティシズムの徒であった親王は、占城、真臘、盤盤、魔海を経て一路天竺をめざす。読売文学賞に輝く傑作幻想ロマン
エイズで生活の一切を失った者は、エイズを唯一の拠り所とするしかない。そこで主人公の壮大な実験がはじまる。エイズは神か魔か
住まいを語ることはその人の生き方を語ることである。東京都内に住む十二人のさまざまな職業の女たちの生活と意見を赤裸々に描く
日本とアメリカを等距離で見つめつづけた著者が、日本への深い理解と愛情はいずこより来たかを、外交秘話をまじえ率直に語る回想
サティの音楽がなぜこんなに胸に響くのか? 満ち足りた後になお残る欠落感。青春のものうさと含羞にふれる野間文芸新人賞受賞作品
男は“獣欲”から女を襲って犯し、“食欲”から男の食物を奪って殺す。“弱肉強食”の時代を描く衝撃作など、元気の出る小説十三篇
男子厨房に入るべし、断々固として。食生活の危機、すなわち生命の危機。広汎最新の栄養学に裏づけられた独自のクッキングブック
世界の富を集めたこの時代の英国は、驚くほど現代日本に似ている。『英国鉄道物語』の著者が考えた、大英帝国の没落に何を学ぶか
その夏、少女は初めて大人の秘密にふれた。生きることのはかなさと哀しみを知った。少年少女と老女の心の交流を描く芥川賞受賞作
多くの読者をして一読後、直ちに歴史的かな遣派へ転換せしめた「私の國語教室」を始め、「私の幸福論」「日本新劇史概論」など全三十篇
(風の巻参照)
小説集。思い出トランプ/あ・うん/隣の女/男どき女どき(小説)/寺内貫太郎一家/年譜
天下統一の雄図むなしくたおれた悲劇の英雄武田信玄。野望と情熱と波瀾に富んだその生涯を、いきいきと描破した三千枚の大河小説
おなじみエッセイの名鑑。忙しいから、目が肥えているから、面白くなきゃガマンできない読書グルメのために選んだ珠玉の五十九篇
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